GW前半、和歌山編

GW前半は、生まれ故郷への帰省する事になった。先日、おばさんが脳かん深層部分の出血で昏睡状態になったので、お見舞いに行くためだ。意識がないので、元気づけることもできないが、気持ちの問題だから短時間でも行くことにした。さすがにゴールデンウィーク、2日前に買いに行ったら新幹線のチケットがとれない。午前中は、完売で午後にやっと喫煙席が買えた。和歌山に着くのが18時をすぎてしまうので病院にはいけないが、翌日、ゆっくり行くとして故郷の魚の味を楽しみながら母を交えて一杯やろう。

↑東京駅に飾ってあったミニねぶた人形。小さくても迫力満点、復興もこの勢いで。

↑車中の簡単昼飯は、上野駅にできたブランジェ浅野屋さんで調達。お気に入りのここのパンをお土産にも買った。
隣の海南市に住む母に、JR和歌山駅まで出てきてもらい一緒に和歌山市駅まで行った。大阪と行き来する私鉄・南海電車の駅の方だ。市駅から歩いて、銭湯だが天然の温泉の「本町温泉・夢之湯」へ行く。ぬるめのお湯でも、赤茶色の濁り湯は鉄分たっぷりで効能が効き過ぎるためか長湯は禁物だそうだ。
和歌山市の本町は、ぶらくり丁と呼ばれる大アーケードの商店街が2本長く連なり、今はなき「丸正」百貨店をふくめ子供の頃には憧れの賑わいの場所だった。今は、見るも無惨なシャッター街になっているので、現地で探しても、それほど期待できないのはわかっていた。帰省の際によくいく、JR和歌山駅前のお気に入りの居酒屋『丸万』は、祝日のお休みで、新しく店を見つける必要があったのだ。ネットで調べ、なんとか一軒に白羽の矢を立てていた。営業の確認も含め風呂に行く前に電話を入れていた。

↑本町温泉の名で、通ってる本格温泉の銭湯。

↑閑散としたシャッター街と裏腹に、カウンターはいつも満席状態が続いた。これだけの人が、飲みに集まってくるのだものこの界隈、まだまだ、いけると思うのだが。

「ぶらくり丁」の中程の場所に三人でぶらぶら歩いてゆくと母が「ここら辺に昔、千里十里(ちりとり)という飲み屋さんあったな」と言うではないか。まさにその店に行こうとしていたのだ。
古くからやっている居酒屋と聞いて、俄然、期待がもてる。お店は、長くカウンターが延びその奥に座敷か、個室もあるようで、壁にはずらりと地の魚のまさに酒の肴の短冊がずらりと貼られていた。電話を入れ予約していたので個室に通されそうになったが、カウンターの方がいいのに決まっている。店の人も、そこあたりはわかってるので、まだ、全部は埋まってていないカウンターの奥の席にどうぞと、言ってくれた。

↑お通し3品は、人数の頭数で。

↑3人で食べられるように少し多めにしてもらったお造り。とにかく、鯵がうまかった。もちろん、鯛もカツオもカンパチも。

↑いずみなす。フルーティーな浅漬けだった。常温で飲んだ『荒神』は『黒牛』の名手酒造のだと聞いたのだが、ホームページでは出ていなかったので聞き間違いかな。

↑フカの酢みそ。大阪から和歌山も北の方だけフカの湯引きが食べられる。

↑丸はげを甘辛く炊いたもの。

↑まぐろ目玉の塩焼きは、残念、品切れでほほ肉ステーキに。
地の魚料理、お造りから始まって、煮たもの、揚げ物、焼き物と目白押。実家のある海南市の名手酒造の『黒牛』は、有名人気ブランドになったが、同じ蔵の『荒神』と名のついた酒があるとは知らなかった。ごくごく普通につまみを食べながら飲む酒としての旨さで、常温で飲んだ。

↑いわしの天ぷらを母は食べたかったようだが、これも品切れでかき揚げに。毎回、一口食べろと言われるが、僕は揚げ物は遠慮する。

↑太刀魚は、地の海で沢山とれる事もあって、塩焼きでよく食べる。

↑かみさんが目を付けた、〆のとり雑炊は薄味でも旨味たっぷり。

南紀の田辺は棒さば寿司で、和歌山市では、バッテラだった。同じ県下でも北と南では、食文化も違いがはっきり出る。さばファンにとっては、どちらもうれしい限り。
     ◎

↑翌朝、喫茶店のモーニングセットは、この地では普通の朝食の風景。他に朝から外食できる所がないからとも言えるが・・・。

翌日は、和歌山市に住む姉も来て、一緒に叔母さんの病院を見舞った。かみさんが手を握り、姉が声をかけ、僕も顔を覗き込むと、眠り続ける叔母の閉じた瞼のなかの目が、盛んに動き呼吸が速くなったりと反応があるよう思える。目覚めていなくとも、気配などで頭の中では、そばに来ている人がわかっているように思える。耳では、ちゃんと聞いていて意思表示ができないだけのような感じがしてならなかった。

↑今回、初めて見た僕のおばあさんの写真。叔母と母、姉妹に似てるかと言っても年を取った二人と比べるのは苦しいところで、どことなく面影はさすがに似ている。家の仏壇には、父方の祖父母の写真が飾ってあったが、生まれた時にはすでに祖父母が亡くなっていたので、じいちゃん、ばあちゃんいないものと気にした事がなかった。叔母の事もあったので、今回、あらためて母方の祖母の事を聞き、写真も奥にしまっていたものが出て来た。戦前、台湾で実業家の愛人として認知されないまま旅館経営をして姉妹を女手ひとつで育てた、気丈な女性だったそうだ。

↑関西にも進出してる讃岐うどんチェーンに、お見舞いの途中で軽めのお昼に行った。関西うどんのおつゆは、かなり甘めなので、うどんの旨さを引き立てる四国のあっさりのおつゆがなかなかいい。
     ◎
夕方、紀ノ川沿いのスーパー銭湯『川辺の湯』に入り、甥っ子がやっている岩出市のイタリアン・バール『イル・メント』にこの店に初めてのかみさんも含め、母、姉と4人でご飯を食べに行った。

↑姉の嫁ぎ先のある和歌山市川辺は、紀ノ川沿いで昔は、渡し舟があったところ。熊野古道も通る、歴史の古い地域。川辺の湯は、地下水をくみ上げ湧かしたスーパー銭湯

↑紀ノ川、最近は川の水量も少ないそうだ。河の変化で、鮎釣りの釣り人が川面に立つ姿も減ったようだ。

↑夜の営業は6時からだが、毎回、早めに着いてしまう。外で、わいわいしてると5分前に空けてくれた。ゆったりした店で、気軽に食事を楽しめる。

店主の甥の昨年生まれた息子と嫁さんも途中で来たので、6人でテーブルを囲みにぎやかな食事になった。お店の方も、やっと一周年になるところで、まだまだこれからだ。ピッツアの生地は、自分でこねたものを一定時間熟成させ冷凍物は使わず、注文ごとの焼きたての味には、パン好きの僕も満足した。

↑風呂上がりだから、やっぱり、ビールから。

前菜8種盛り。色んな味が楽しめるが、人数が多いのでぺろり。

↑ワインは、赤を1本空けたが足りなかったのは言うまでもない。

↑ソーセージは、食べごたえあり。

↑詳しくないので、名前は知らないが、アンチョビ入りオリーブオイルの熱いのに生野菜をつけて食べるもの。

↑各種チーズにハチミツの甘いピッツア。

↑アサリと白身魚のトマト煮込み風。

↑トマトソースパスタ。

↑枝付き、干しぶどう。

↑酔っぱらったかみさんが、何だかどんどんメニューをたのみ始めた。これ前菜8種盛りにあったじゃん。

↑これもオリーブオイルにキノコや野菜が煮込んである。味が濃いのでバケットくれと厨房に言いに行っちゃった。もう、かなり、食べてるぞ!

↑レーズンバターもパン付きで来たぞ!

↑生ハムのピッツアは、旨いから食ってしまう。

↑とうとう、イカスミパスタまで。やれやれ。

↑帰る日曜の朝にもう一度病院に行ってから、きのくに快速で和歌山を発った。紀ノ川にお別れしつつも、これから番外編の大阪・天王寺、新世界の途中下車のお楽しみに心は飛んだ。