南方熊楠記念館と白良湯温泉、銀ちろのうつぼ料理(年末年始特集④)

田辺からすぐ隣の白浜温泉は、関西でも有名な観光地。身銭を切って高い観光ホテルに泊まりたくはないが、白い砂浜、冬晴れの青い海、それに温泉となれば何度も来たくなる。単なる崖っぷちや広い平らな岩場だけでも、行ってみるとそれなりに風光明媚で魅力的だ。いくつかある白浜の見所のなかで、立ち寄っていなかった『南方熊楠記念館』に行くことにした。島の真ん中が見事に穴の空いた『円月島』の見える浜の突端の高台にある。明治の夏目漱石の同時代の偉大な粘菌研究家・南方熊楠の足跡をたどり、その建物の屋上にあがると南紀・白浜一帯が見渡せた。南方熊楠の人間の大きさと、南紀のこの地にどっしりと根を張って生きた人物像が、晴れ渡った海と遥か山々の風景と広々とした爽快さとが交わる。


↑円月島は、近くで見るとなかなかの存在感だった。釣り人もこんな景色で釣りができて満足だろうか、やっぱり魚の顔を見ないとダメだろうか。

↑記念館までは、急坂を昇ることになるが、展示階のその上にある屋上にでれば、白浜一帯の海と遠くの山々の雄大に広がる景色を見渡せることができた。

↑白浜の真ん中ほどのある『白良湯』は、ほんのり塩味の優しい湯だ。

天気もよく日差しもあるが、海風は冷たい。しらら浜に戻り冷えきった身体を、温泉の湯でじわりじわりと暖める。湯船のある2階から、白い砂浜と青い海の見える『白良湯』に、年頭の正月に入ると毎年のことながら、また一年頑張れるような気がする。

↑昨夜も大にぎわいだっただろう田辺きっての大きな料理屋だ。駅前店や他にも支店があるが、味光路のど真ん中にある本店が風情もあって、ゆっくりできる。クエ鍋もうつぼも冬場にはコンスタントに食べることができる、紀州料理と銘うった老舗。
この後は、昼からでもゆっくり飲み食べできる田辺の『銀ちろ』で、またも恒例のうつぼ料理を食べる。K西さん達と合流できればよかったが、車で来ているので渋滞を避け昼早めに食べて発ったようだ。母を途中で降ろし、僕とかみさんはそのまま一気に東京に帰る指定席の特急列車が出る夕方まで、ゆっくり『銀ちろ』で昼酒を楽しんだ。

↑正月らしく、お通しはなますだった。そんなところも妙にうれしがりながら、温泉後の生ビールは旨い。

↑やっぱり、生ずしから。徹底して、さばが好きでんねん。

↑ひろはめ昆布は、ご当地のもの。ねばねばのある、わかめの酢の物。

↑まってましたのうつぼのたたき。皮を焼いて、臭みをとり香ばしさを出している。でも、ちょっと今日のは、焼きすぎて苦いな。

↑母とかみさん用にうつぼの唐揚げ。これも見るからに旨そうと毎年言っているなぁ。

↑旨いものが出て来ると、やっぱり、日本酒だ。店名入りの徳利で飲む燗酒はいい。

↑さて、本腰を入れていただくうつぼの照り焼き。

↑メニューにあると、魚の合間にやっぱり食べたくなる。妙に旨い、牛の焼き肉。

↑こつ蒸しと名のついた、鯛のカブトと野菜を出汁であわせた蒸し料理。鯛の身に旨味が残り、出し汁にも溶け出した鯛の味と野菜の甘みが、これも、たまりませんな。

それにしても、昨年とまったく同じ様な行動と食べる料理で笑ってしまうが、これを堪能するためにわざわざこの地に来るのだ。昨年と、同じ写真が続いて申し訳ないといったところで正月特集は終わり。
だた、やっぱりひと言付け加えたいのは、うつぼの照り焼きとさば棒寿司は旨い。ごちそうさま。

↑極め付きの、さば棒寿司。

↑王道のこれでもかと厚いさばの身に、くらくらしつつかぶりついて酒で流し込むその至福。

↑一路、東京にひた走る東海道新幹線にて、お気に入りの山崎水割りで、酩酊状態のまま年末年始の思い出にふけるのだった。