寒い日曜日、燗酒で暖まりたいと思い出横丁「ささもと」

日曜日に外で酒を飲むことはほとんどないが、映画を観た後、軽く生ビールを飲みながら携帯文字打ち専用機「ポメラ」でぽちぽち映画の感想などを書くのが結構楽しい。すぐ2杯目のビールを飲みたくなったが、曇った寒い日曜日で、もうちょっと暖まりたくなった。
新宿三丁目のパブにいたので、近いところでは立ち飲み焼きトンで燗酒をやるのが早い。気分的に、日曜日の思い出横丁「ささもと」もたまにはいいかなと、歩行者天国の新宿通りをぶらぶら歩いた。

歩行者天国は、前にも書いたが大好き。ぶらぶらと道路の真ん中を歩くだけでも非日常の気分が楽しめる。そして、銀座より新宿の方が絶対にいい。だって、好きな飲み屋に向かってるところだから。アルタの前で、振り返って新宿通りの景色。

そういえば「ささもと」では、いつも金宮焼酎を飲んでいて清酒を飲むことはなかった。「燗酒ください。煮込みも」と、お兄さんに頼んだら「燗つく前にすぐ煮込み食べますか?」と、すかさず聞いてくる。そうなのだ、この店は、日本酒を入れたヤカンを焼き台にのせて燗をつけるのだった。もちろん、飲みながら食べたいので、しばしのおあずけ状態になってしまった。

↑おあずけ状態のままの数分が、長かった。串の煮込みは、純粋にモツの味を楽しむもの。

↑ナンコツとそのまわりの肉と一緒に荒く叩いた「たたき」は、ゆっくり噛み締めて。

↑スナップえんどうの肉巻き。シャキシャキ食感が、旨味。

↑アスパラ巻き。まだ、国産の時期ではなかったが、深くは考えずジューシーさを楽しんだ。

酒は、伏見の「神鷹」辛口の酒で、昔よく飲んだとぼんやり思い出してたら、コップに少し注いで「加減は、こんなもんですか?」と、気を使ってくれる。早く飲みたいこちらは、飲んですぐの二つ返事で大丈夫です、と。
頼んだ串が、焼けるタイミングとおかわりの燗がつくのとを上手くあわせないと、またおあずけ状態になりそうだ。いい調子に飲み食いしていて、ふと焼酎3杯ルールは日本酒でも同じだろうかと疑問がわいてきた。この前、久しぶりに行った西荻窪の「戎」は、焼酎3杯、日本酒5杯ルールで随分前からそれに馴染んできたため他の店でもつい同じように思ってしまいがちだ。もし、酒類すべて3杯ならこの一口で終了、頼んだキャベツを酒なしで食べることになってしまう。
聞いてみたら、何のことはない「お客さん飲みたかったらいいですよ」あっさりと4杯めの燗をつけてくれた。キャベツを燗酒と一緒に美味しくいただいたが、日本酒制限ルールがはっきりしないままで、まあ、いいか。

↑「タンもと」は、タンよりも肉っぽくて味噌で味をまとめている。

↑レバとホーデンは、おなじみのネギ醤油。ネギで、口がさっぱりする。

↑このキャベツ、どうでしょう。絶妙の火の通し加減、ぐったりと煮込み汁にまみれながら、生きた野菜の歯ごたえもかすかに残している。全体を通して、焼き台に立つ茶髪のお兄さんは、できる人と再確認した。美味しかったよ。

↑とうとう、家から最寄りの駅途中の梅が咲き始めた。飲み友K西さんの暮らす龍神から里に下った紀州・田辺の梅に思いを馳せる。いつかは、田辺の梅の里に花が咲き誇るのを見てみたいと思いながら、今年も果たせぬ夢に終わった。