肩よせあって飲む、昭和の居酒屋「斉藤大学(?)」

「斉藤大学へ、いきませんか?」
飲み友のI藤さんから2月の連休前にお誘いがあった。どうにも時間がとれなくて一週間のばしてもらってやっと実現した。
斉藤大学というのは、十条の斉藤酒場のこと。
この5年くらいだろうか、I藤さんとは二人でこの昭和そのもののような居酒屋に飲みにくるようになった。この店のおかみさんが、僕のことを古く学生時代からの常連と勘違いしていて
「あなたは、斉藤大学留年したのだから、ちゃんとお店にこないとダメよ」なんて、毎回言われるので、私たちの間では呼び名が大学になってしまったのだ。

↑昼酒もいいが、平日の目一杯働いた後、寒さに震えながら居酒屋ののれんをくぐる瞬間も捨てがたい。

↑小さいながら活気ある店内に座れば、寒くても大瓶のビールをぐいっと飲みたい。心も喉もからからなのだ。

↑煮込みの食べ歩きの本読んでいて、食べたかった『斉藤酒場』の煮込み。赤みそ系で、ほとんど甘さを感じない左党の味。こんにゃくが沢山で、これが旨い。
ガラリと戸を開けのれんをくぐると、店は相変わらずの繁盛ぶりで、見るからに満員。おかみさんは、困った顔を見せながらも、すみっこの方に空いていたひとつの椅子に、もうひとつ別の所から持ってきてくれて、どうぞと言ってもらえる優しさがうれしい。
自然木の独特な形状の大きいテーブルで、みんな片寄せあって飲んでいる状態。隣の煙草も煙いし、落ち着いて飲むのにはほど遠いながらも、それこそが居酒屋の楽しみで、大声で話に夢中になりながら、お銚子を、一本、一本、飲み進むのでした。

↑I藤さん、数年前に始めて来た時に食べた椎茸煮にノックアウト。以後、来るたびに食べたいというが、なかなか、メニューに載らなかった。今日のはやや小降りで、かつての感動ほどではないらしいが燗酒にぴったりの逸品。

↑きりりとシメサバ。しっかり、しまっていて、これもまたよろしい。

↑いちだんと浅ゆでのたこ刺は、うまし。

↑赤身のまぐろも、いけます。いい居酒屋は、やっぱりまぐろのレベルが高い。

↑無性にアジ刺、食べたくなった。これこれ。

↑ネギぬたとセリのおしたし。出汁醤油とセリの香りに、シャキシャキと歯ごたえも相まって春の味ですよ。

↑二人で一尾は、寂しいが二人で半分ずつ仲良くわけました。
この時期にはめずらしく今朝、強い雨が降って比較的暖かかったが、雨があがると冷たい北風が急に吹き出して寒くなったので、燗酒がじんわりをからだと心を暖めてほぐしてくれたようだ。

↑いつもの事ながら、斉藤大学で長居をしてもう一軒に行きたいけど遅い時間にどうしたものか迷う所。池袋、塩煮込みを食べたくて、焼きトン三福に決めたが、入り口看板の灯りが消えていやな予感。

↑食べたかった塩煮込みが残念の終了で、豆腐だけはあったのでチョイス。

↑塩、タレ以外の第三の辛み味噌焼き。ピリ辛とコクで、なかなか旨いが、店内に「蛍の光」が流れはじめ、せかされながらホッピーで流し込む。

↑飲みながらI藤さんに話した最近購入した上出来の買い物。外出先でもブログを書ける携帯文字打ち機『ポメラ』と、燗をつける時に重宝する専用の温度計。これは、水割りしたイモ焼酎に燗をつけてる所。カンではなく、確実に飲み頃温度にぴったり決まる優れものなのだ。