人生、楽あれば苦もあるさ

6月がゆるいと思っていたら、やっぱり、7月はつらかった。
梅雨も明けて、本格的な猛暑になった日本列島、夏本番はこれからだ。休む日もなく働き詰めではないが、朝から晩までパソコンに齧りついてせっせとカタログ製作に明け暮れるともうへろへろだ。平日は不思議と飲まないで大丈夫でも、週の終わりそれも明日の土曜日が休めるとなれば、金曜日が俄然輝いて感じる。
むらむらと、飲みたいスケベ根性が出て来ると当然のごとく、なかなか仕事が終わらずに帰れない。こんなトホホな気分を何度、味わった事かとやっと事務所を出るともう22時近くで、週のはじめに梅雨が明けて、猛暑の幕開けだったが今夜は、どうした事か雨まじりに肌寒い。近くのビアパブで、生ビールを流し込んでこの気分を抑えようとしたが、どうもそんな感じでない。飲みたい気分が抑えられなくて、時間的冷静さも失って新宿に向かってしまう。

↑空腹にむさぼり食べて、飲んでしまったら、美味しく味わえるものでない。でも、ほっとしたな。
どうして、新宿・思い出横丁なのかは、考えても仕方がない。
ただ、あの場所で飲みたいだけなのだ。そして『ささもと』に、至る訳なのだ。
相変わらずの満席状態と思ったが、嬉しい事に焼き台前の路地にお尻が出っ張る席の端に、つめてもらえばひとり入り込める。特等席に座れ切羽詰まった気分で、電車に乗ってきた甲斐があった。

↑すまぬ、ピンぼけだ。カシラの煮込み鍋に、しゃぶしゃぶした半生で、これが旨い。

↑金宮焼酎に、梅エキスを一滴。

↑茗荷の肉巻き。

↑何の変哲もないオクラ。実は、煮込み鍋で煮てお汁がたっぷり染みている。

↑レバとコブクロのネギ醤油。ネギだらけで何だかわからないが、このネギがいいんだな。
空腹の極地、煮込みを汁共に喰いビールを流し込む。
しょぼついていた雨が、今は本格的に降っている。
あれこれ食べたいと思うよりは、なんだか漂っているようで落ち着かない。それはそうだ、もうそろそろ店じまいの時間なんだからゆっくり飲んでもいられない。まだまだ、人通りも多く『ささもと』にも客がどんどん入って来るが、おやじさんはもう終わりと断っている。短い時間にしっかり金宮焼酎3杯飲んでキャベツも食べる。煮込み鍋で煮込んだキャベツを、焼き台で炙った焼きキャベツは初めてかもしれない。汁だくのとは、また違った味わいがするのが不思議だ。
飲みはじめて、1時間もたたないのだから気持ちもおさまらない。『みのる』の怪しい地下に吸い込まれたのは自然な流れだろう。
「遅いけど、一杯だけ飲ませてよ」
酔っぱらいの常套句が口からこぼれ、自分で苦笑いしてしまった。

↑氷のネタ入れに残っている物を頼んだ、ハツもと。

↑ナンコツ。

↑珍しい、焼きキャベツ。

↑サービスのスープを飲む頃には、最後ではないがほとんど客は残っていなかった。

↑刻々と終電時間が迫っている。『みのる』で、さっと仕上げなきゃ。

↑角ハイボールで、何とか心が落ち着いて。