やっぱり『おおはし』で飲んでます。

北千住『おおはし』の店内で写真を撮るのをやめたといって、店に行かなくなった訳ではない。やっぱり、ひとり飲みで行きたい店ベストワンと言い切れるくらい惚れ込んでいるのだ。仕事の具合で週末になってもなかなか行く事ができない現状ではあるが、ひょっこり平日に休める事もあるので、そんなときはもう朝から飲みに行こうと決めている。

↑本文とは話がそれるが、日曜日のお楽しみに野外飲みにも相変わらず行っている。毎年の桜の花見どころの王子・飛鳥山は、夏の時期は蚊や虫が多くて快適でなくなったため、広々とした原っぱの『尾久の原自然公園』に行く。隅田川と荒川も近く、夕暮れに吹き下ろして来る川風が気持ちいい。ちよだ鮨のバッテラとヤリイカ生ゲソにぎり。ペットボトルは、もちろん半氷の芋焼酎。7月15日

スカイツリーも視界に入るテーブルとベンチのこの定位置も、なかなか競争率が激しい。遅く来るとすでに先客がいたりするのでつい早く来てしまうのだが、日陰ではないので日があるうちはかなり暑い。今回も持ち帰りのちよだ鮨で、貝セットとアジの握り 7月29日

たまった疲れもあるし、こう暑いとスポーツジムに行って身体を動かすのも考えものだと、飲む事を中心に考えるようになり、昼間は久しぶりに自宅でゆっくり休養する。
エコというよりエアコンが苦手なので、窓を開け放っていると公共防災放送でしきりに光化学スモック注意報を流していて、昼間出歩くのも危険が伴う都会生活だなとしみじみ思う。全国で猛暑だろうが、都市の暑さはやっぱり尋常ではない。
まだ日は高いが頃合いを見て出かけ、まず銭湯で汗を流す。エアコンなしだと家にいるだけでたっぷり汗をかいている。汗を流しさっぱりすると、まだ夏のこの時間は夕暮れとは言いがたく陽光が降り注ぐがそれほど気にならない。


↑なかなか風格がある、北千住『大黒湯』

『おおはし』に入るなり若旦那に、こっちこっち空いてるよと席に招き入れられる。おやじさんが「今日は、早いですね」といいながら氷とグラス、残っている金宮ボトルを持ってきてくれる。
そのよどみない連携に、隣の客が「自分はこの店初めてなんですが、棚に並んでるボトルの名前と客の顔を全部、覚えているんですかね」と驚いた顔しながら話しかけてきた。
別に常連だと自慢したい訳ではないが
「よく来てる人は、だいたい自分のボトルがさっと出て来るよ」
ちなみに本日の食べたものは
肉豆腐 シメサバ アオヤギ刺身 生しらす はも湯引き梅肉 いわし塩焼き
そして、〆のオムレツ。金宮焼酎ボトルも新しく1本入れた。
『おおはし』の接客は、おやじさんと若旦那の親子で仕切っているが、もう一人「Mちゃん」と呼ばれているおっさんがいる。朴訥といえばいいのか、素っ頓狂な人物なので、客としてもなかなか神経を使う。イヤな奴ではないのだが、いつも怒っているようにしゃべっているし高速反応の親子にはさまれて、一人もさもさしているのでいやでも目立つ。肉豆腐とビール1本の会計はなんとかできても、値段が違う刺身皿が積まれている計算は手も付けられなくて大声で「こちらお会計!!!」と、叫ぶしかない。僕を含めて、よく来ている客は、あんまり無理な事を「Mちゃん」には頼まないようにしている。
そんな「Mちゃん」から、話しかけられた。
いわし塩焼きを頼んでいる客の目印として、置いてある醤油瓶を目に止め
「今日のいわしは脂がのって旨いよ。お客さんなら絶対喜ぶから教えてあげようと思ってたんだ」
なんだか、とてもフレンドリーに顔は怖いけど話しかけられた。面白い事に、隣にいた常連のおじさんが小さい声で「なんだ、結構、話したりするんだ」と「Mちゃん」に驚いていた。僕といえば「Mちゃん」に、魚好きとして認識されていた事にびっくり。
「Mちゃん」とこちらも気さくに書いてしまったが、年齢的には一回り以上の先輩である訳だからあまり礼を欠かしてもいけない。
プシュプシュを脂をはじけさせながら焼き上がってきたいわしは、確かに「Mちゃん」の言った通り旨かった。一連のやり取りを聞いていたのが、隣のおじさんだけでなく両隣を含め三人が次々にいわしの塩焼きを注文する結果になった。
「Mちゃん」のひと言が、いい宣伝になったようだ。

↑結局「Mちゃん」に指摘されて、店内でカメラを取り出せなくなったのだ。「Mちゃん」を責めても仕方ないけど、ささっと食べるものだけ撮るのだから見逃してくれてもよさそうに思うのだがなぁ。少しは融通きかせてよと頼める相手でないのが「Mちゃん」なんだろうけど。