裸の島

movie_kid2011-07-23

98歳のまさに巨匠の新藤兼人監督最後の映画と銘打ち『一枚のハガキ』公開前の特集上映された過去の作品。監督が、世界に認められた「裸の島」1960年、モノクローム作品のセリフが一切ない映画だった。瀬戸内海、水のない小さな島にただ淡々と舟で水を運び、島の畑に撒く映像。恐ろしいまでに直球の映画で、力強く、重く、せつなく涙がとめどなく出て来た。自分の子供時代とオーバーラップするような、昭和の日本人の性根を見た気がした。
現在とは、とんでもなくかけ離れているようにも思えるが、凝縮された普遍的な人間の営みを映像と音楽で見せてくれる。新藤兼人監督は、とてつもない。