ナンバーテンブルース さらばサイゴン

movie_kid2014-04-29


1974年、ベトナム戦争末期に戦地でオールロケをした幻の邦画が、38年の時を経て公開され、どんな曰く付きの作品だろうと観に行きました。関係者や監督のトークショーもあって、なかなか興味深く、プロデューサーと監督との作品に対する考え方の違いから対立してお蔵入りになっていたようです。サスペンスとしては破綻しているように思いましたが、国が崩壊する戦地での撮影が、この映画に時代の空気感を充満させているようでした。何もかもなくしてゆくベトナムと、高度成長を果たしアジアのなかでも頭角を現した日本との対比に、監督がアンチテーゼとして訴えたかったことは想像できました。こんなに年月が経ちながら、公開できた事に驚きを感じると共に映画が持つ不思議な側面を感じました。