アーチスト

movie_kid2012-04-22


物事の本質は、手段や方法に縛られていないことをまったくこの映画が証明していた。一見、ノスタルジックな雰囲気で目を引くのだが、劇中もいたってシンプルで、じっくりと力強く男と女のロマンスと人生の甘辛をしっかり描かれていた。過去のものとしか思っていなかったサイレント映画の魅力も同時に楽しみ体験もしつつ観られる『アーチスト』は、ノスタルジーなどではなく斬新で真っ向勝負の作品で本年度のオスカーをとったのもうなずけた。
誰もが指摘するだろうが、映画界の栄枯盛衰、今、ハリウッド的なチャーミングな映画を撮ったのがフランス人だとはね、という驚き。そう言えば『幸せはシャンソニア劇場から』でパリの下町の劇場の話を描いていたが、その舞台のエッセンスはハリウッドのミュージカルそのものだった。情緒豊かな映画は、元祖ハリウッドから、もはや生まれこないのだろうか。