ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち

movie_kid2012-03-03


ダンス、舞踊を何故、ヴィム・ヴェンダース監督が、それも3Dで映画に撮ったのか。ドキュメンタリーでありながら、その主人公が撮影前に亡くなってしまってもあきらめずに完成させた理由も、すべて映画の中に込められていた。ピナ・バウシュというダンサーがいいかに凄いかを、残した舞台とドイツのヴッパタール舞踊団のダンサーたちによって、3Dという臨場感の新しい可能性を駆使した映像によって、このジャンルのことを何も知らなくてもスクリーンに釘つけにされた。3D映画は『アバター』と『アリスワンダーランド』の後、しばらく遠ざかっていた。今回のヴェンダース監督の映画で、認識をまた塗り替えられた気がする。他の凡庸な3Dを観れなくなったともいえるが、スターウォーズも含め少し観たくなった。
久しぶりに観た3Dが、やはり、かなりの目の負担になるのかなとはじまってすぐに流れはじめた涙に困ってしまった。何のことはない、ダンスパフォーマンスの魔力にかかり、感情をかき乱されて情緒不安定になるほどに素晴らしく感動していたのだ。