ブリューゲルの動く絵

movie_kid2012-01-12

16世紀の絵画、救世主キリストが処刑されたゴルゴダの丘の絵の中に誘われる映画。単なる絵の解説や紹介でなく画家本人の役のルドガー・ハウワーが、絵を描き進める臨場感ままその時代と人々の暮らしの中に導いて、入り込める感覚だ。宗教的な側面より、当時の人々の考えや気持ちにより添って、人の愚かさをも含め人間くささまで感じられる。ドキュメントタッチとも違う、絵の持ってる物語に引き込まれ、それがすべてこの一枚の絵の中に封じ込められていることに気がつき、ゆっくりと美術館を後にできた気分になる面白い映画だった。