善き人

movie_kid2012-01-08

ヴィゴ・モーテッセン主演といっただけで観たくなったのだが、映画に対して何の前知識がなかったのは少しつらかった。イギリスの舞台劇で、ドイツ・ナチスの台頭してくる時代に大学で教鞭をとり小説も出している作家が、著作をヒトラーに気に入られることによって自分は親衛隊で出世してしまう。同じようにドイツで生まれ育った友人のユダヤ人が迫害を受けて、時代に翻弄されながら悩み苦しむ物語。行動や表面的には現れにくい静かな文学者の役だけに、ヴィゴ・モーテッセンは健闘しつつも、舞台で効果的だったエピソードや演出が、映画には不利な面が多く地味な印象のままだった。題材そのものが、楽しいとか悲しいとかの範疇でないと理解しているが、見る側のツボを外されて痛いだけだったように感じた。