ゴーストライター

movie_kid2011-09-18


ユアン・マクレガーが、本当にいい。だからこそ、世界中の名だたる映画監督から引っ張りだこになって沢山の映画に出演してる。そして、ますます、磨きがかかっていい芝居をする。今回の役どころは、フリーランスのライターでイギリス元首相の自叙伝の執筆を依頼される。元首相の滞在するアメリカ西海岸の孤島に出向き、取材と前任者の原稿を整理する仕事に着手する。1ヶ月間、そこに閉じ込められる状態で、いつのまにか、国家間の政治スキャンダルに巻き込まれて行く。エージェントが、持って来たおいしい仕事だったが、どこか不吉で本人はさほど乗る気のないまま、破天荒の寂しい孤島に乗り込んで行くあたりの人物像に、ユアン・マクレガーが、ほれぼれするくらいにぴったりではまっている。もともと持っているチャーミングさも、時折のぞき、観客の心をつかむ。
何より、監督ロマン・ポランスキーの演出の素晴らしさに酔いしれた。観客は、映画が始まると同時にこの監督の世界に包み込まれ、2時間あまり全てのことを心から追い出して、物語の中に誘われる。映画を楽しむなら、これだと自信を持って言える1本だ。