マイキー&ニッキー

movie_kid2011-03-19


幻の映画の復刻上映。刑事コロンボといえばピーター・フォークの当たり役だが、なくなったジョン・カサベテス監督とは盟友の間柄だそうで、コロンボ以外のピーター・フォークもとてもいい。元々が俳優であるジョン・カサベスと二人芝居のようなこの映画、本国アメリカでも興行的に失敗したもののようだが、亡くなってからますますカサベテスの価値が見直されていることで、ファンも多くときどき関係作品が上映されている。今回は、自身の監督作品ではないが、彼らしい独特の空気感のある映画だった。ヤクザな男二人の一晩の逃亡劇で、裏切りと堅く結ばれた友情、そして喪失。夜の闇のざらついた感触と、汗や吐しゃ物の臭気まで漂ってきそうなほどのリアルさで、とても観ていて心地よいものでない。しかし、女性を傷つける言葉や感情の爆発に殴るパンチの痛みを観てるこちらの内側まで、ダイレクトに届く不思議な強さがあった。そんなところなど、ジョン・カサベテス監督の映画にとても似ているように感じながら、女優であり脚本家でもあるレイ・メイ監督の執拗さもきらりと光っているようにも思えた。