エクスペンダブルズ

movie_kid2010-11-20

新宿の地下道で、ドデカイポスターにずらりと並んだ豪華アクションスターの男達に思わず釘付けになった。あっちゃー、ここまで取り揃えて映画を撮るのかと驚く。数々の主演作品と一緒に年輪を重ねた渋ーい面構えが勇ましいが、時代遅れな感じも否めないので、どうしたものかと思っていた。友達に「これはいいぞ」と、メールもらいポンと背中を押された感じで観に行った。いやいや、面白かった。よく練られた脚本と、きっちり伏線を張りそしてちゃんと決めてくれる所は、シルベスター・スターローン、映画を知っていてまさに王道的な映画作りをしている。
冒頭に、ドカンと上半身吹っ飛ばす強力銃器の威力を漫画的に見せつけこの映画はドンパチ半端なく見せるぜとやられてしまうと、最近この手の映画をあまり得意としていなくてもすっかりアクションの世界に取り込まれた。本当に強い男とはどういうものかを、典型的なルックスや入れ墨などで泥臭く見せる以上に、シャイな内面と格闘やガンアクションの素晴らしさで魅入らせてくれるのは、生身のアクションの見せ方を心得ているからだろう。
何より俳優人の良さに戻って来てしまうが、スターローンと肩を並べるイギリス人のジェイソン・ステイサム(色々出てるが『バンク・ジョブ』がもっとも好き)がいいんだな。ジェット・リーもいい味出している。ちょっと出るだけのお楽しみな役者もいるが、ミッキーロークが、ダントツにこの映画に深みを与えている。一本調子になりがちなスタローンに、これだけの色んな味付けがありプロフェッショナルな男達が、金のためでない魂のために戦うのだから力が入る。
日本上映だけの愚行だろうが、エンドロールにロック、いや、歌にすらなっていない長渕剛を流すのだけは、勘弁してくれと言うよりせっかくのいい気分が一転、腹が立って来た。