アウトレイジ

movie_kid2010-06-12

しょうもない、悪人達の対立、殺し合いの映画。品のかけらもなく脅し騙し合い、より悪い奴らが生き残るのはヤクザだけでなく、社会そのものの様で身につまされてくる。不器用で前時代的ヤクザを演じるたけしのセリフがいい。饒舌で、鬱屈し怒りをあらわに武闘派度合いが引きつけるが、決してカッコ良くもない。肩入れしたくなるような登場人物がない群像劇もなんだかおかしい。初期作『ソナチネ』は、沖縄の風土、自然が、死を意識する男達とで独特の世界観を醸し出したが、今回は、悪人達のオンパレードだけかなと思ったら、白茶けた味気ない色合いから、男達が徐々に追い込まれて行く過程で、色合いが透明感のある青みを持ってくる。北野ブルーは健在で、テクニックでぐいぐい引っ張って行く力技もあった。