マイ・ブラザー

movie_kid2010-06-13

デンマークスサンネ・ビア監督の『ある愛の風景』は、その物語と痛みにもにた衝撃を受けた記憶がある。意識して、リメイク版のこの映画を観た訳ではないのだけれど、監督が変わり舞台がアメリカになり、今をときめく若手の役者揃いだと印象はかなり違う。真っ正面から反戦争ではない、非常に難しいが鋭く深い物語に繊細な演技と演出が感じられる仕上がりになっていた。子役もいいし、自然に静かに描かれてるのは、今回のアイルランド出身、ジム・シェリダン監督の個性なのだろ。観客を突き放す様に厳しいのが、女性のスサンネ・ビア監督で、包容する感覚の兄弟と夫婦の絆を感じさせるジム・シェリダン監督と違いが、面白い。ただ、中身は他人事でなく、深く身近なつらい事柄で同じなのだが、本当に人が観に来ていなかった。興行的には惨敗だが、重くて苦しい映画もたまには観ないとね。