イエジー・スコリモフスキ’60年代傑作選

movie_kid2010-05-29

『身分証明』『不戦勝』
拡散するイメージ、と言えば良いのか、セリフや物語で説明しようと映画を撮っていないようだ。意図的に飛ばしたカットつなぎをする事でますます、その話を理解できない、要するにわかりにくい。長回しの主観映像や、遠景と寄り気味の極端な構図、大胆なカメラワークの映像に身を任せるしかないのだろうか。
昨年、17年ぶりに監督として復活したポーランドイエジー・スコリモフスキ監督『アンナと過ごした4日間』は、衝撃的だった。年間観た52本中のベスト1だった。その監督の60年代ポーランドでの初期4作品を2週間限定特別上映。初期作品は、確かに独特の手法と大胆さ、個性を感じる事が出来た。その時代のポーランドがわかってないところで少しピンと来ない所もあったけれど。
期間が短い理由もあるだろうが、初日から意外なほど観客は来ていた。名前も知られていない監督の特別上映に来るのは、昨年の映画にやられたのだろう。