ハート・ロッカー

movie_kid2010-04-17

すでに伝説(?)の「地獄の黙示録」で、ドアーズがもう終わりだと歌っていた。ベトナムでも、今のイラクでも戦場の兵士は、今日を今を生きてるか死ぬか、究極の終わり場所だ。アメリカ軍がイラクに進軍と同時に撃ち込み持ち込んだ弾薬をゲリラが町中に時限爆弾として仕掛ける。爆破物処理専門の兵士にスポットをあて、その目の前の生と死をリアルなドキュメントタッチに撮りあげていた。
ベトナムで経験済みのアメリカが、再び犯した過ちのイラク戦争の泥沼に兵士達は異常なほどの警戒心と脅えに苛まれその戦地に赴任する。そんな中、無謀なまでの状況に突き進む爆破処理のエキスパート。その病的なまでの執拗さに、戦場とアメリカの病巣を感じさせた。
ただ、この映画は根底にかっこ良く撮ろうしている気配があるのが気になってしまった。戦争の悲惨な状況のみを映し出されても観てる方がたまらないとは思うが、ドラマ仕立てのその根底にあるものがなんであるかを間違いなく感じさせてほしいと思う。映画で、あの状況でカッコよすぎるんじゃないのと言いたくなるのは、言い掛かり的(?)かもしれないのだが。