フィリップ、君を愛してる

movie_kid2010-03-14

ジム・キャリーのキャラの濃さは、前から映画向きでないと思っていた。今回は、その濃さがよかったかもしれない。自分の人生を開き直ったゲイな男が、ひたすら自己本位に幸せのイメージを追い求めたお話。向かって行ったお相手は、男に愛される愛くるしい男を演じきった、ジェダイ・マスターのユアン・マクレガー。彼に貢ぐためどんどん罪を重ねて行くゲイの詐欺師は、結局、自分だけしか向いていない。かといって、自分を愛している訳ではないので、ひたすら恋人も巻き添えにして不幸にまみれて行くが、本人はそんな事に全く気づかない。そんな愚かさに笑いを誘うのだが、ノーマルだろうが何であろうが関係なく実は誰でも身につまされる所でもある、か。それにしても、刑務所にはなんとも、ゲイのロマンスが似合うんだな。思わず『蜘蛛女のキス』を思い出して、観たくなってしまった。