ラブリーボーン

movie_kid2010-02-07

死んでしまった、スージーのモノローグで全編を通しているこの映画は、14歳の少女の気持ちを体現させてくれる。
子供から大人に、自分の未来に羽ばたこうと日々の成長する気分の高まり、不幸にして出会ってしまった驚きや恐怖、芽生える憎しみ、溢れんばかりの思いがつまった、素晴らしい原作から生まれた、切ない映画だった。
誰もが大なり小なり気にしている死後の世界、そして、誰もが知らない世界を創造したるや、もの凄いイマジネーションで誘ってくれる。
限られた特殊な状態に置かれたスージーを通して感じる、父母の愛、家族の愛、初恋の恋人への愛、それが胸いっぱいになり苦しくていたたまれなくなる。それこそが人が生きる、生きてる根っこの部分だとこの具現化不可能な愛をしっかりと表現し、その温もりのようなものさえ感じさせてくれるのだ。
心が洗われるくらいと言えるほど、涙が止まらなくなった。
年代を問わず、愛したい、愛されたい家族のある人、そう、どんな誰でもこの映画に揺さぶられない事はないと思う。恐怖と悲しみに突き落とされてもスージーとその家族の愛に、観ているこっちにまで力をもらえる、いい映画だ。