インビクタス 負けざる者たち

movie_kid2010-02-06

マンデラ大統領が就任した頃、折しもラグビーのワールドカップ南アフリカで開催される事になり、新しい黒人の指導者によって少数の白人と大多数の貧しい黒人とで分断する国を建て直そうとする実話の物語。
クリント・イーストウッド監督と大統領役のモーガン・フリーマン、この二人がタッグを再び組んだこの映画は、国家の再生をテーマとしているだけにとても、大きかった。それに、とても静かだった。一つの国をまとめあげる大統領の影響力の大きさから比べ、意外な感じさえした。
それは、三十年間も投獄され苦しい時代を歩んで来たからこその重さを直接な表現ではなく、全体に通して感じさせるからで、イーストウッド監督の成熟と今もなお現役で映画を創り続けている彼だからの演出だとわかる。
ラグビーは、激しいスポーツでその荒々しさが表面に現れてくるものだが、対照的に物腰は静かな大統領の深く重い人生とその内にある熱い心を讃えるように映画にしているんだなと思った。