脳内ニューヨーク

movie_kid2009-12-05

あれれ、なんだか妙であまりにも変で複雑に感じてしまうが、この映画ってやっぱり凄いのかも。
舞台劇作家が、人生後半に差し掛かり自分の人生をあてどなく続く芝居に造り上げていくのだが虚実がもう混乱してどう言っていいものやら。でも、映画を観てると何となくわかってくるところに『マルコビッチの穴』を書いた脚本家が、自身の脚本を監督したのだからなるほどねと思えてくる。
何せ主演がフィリップ・シー・モア・ホフマンだもの、しっかり魅せてくれる。サマンサ・モートンエミリー・ワトソンの妙に似ているくせ者女優二人で、同一人物を虚実で演じさせている所が、確信的に狙って訳わかんなくさせられて・・・。
やっぱりちょっと変だと思う所を絶妙に塩梅されているセンスで、ニューヨークと一人の男の人生後半戦を見せられ、まさに我が身につまされた。
エンド・クレジットロールに流れる歌の歌詞にほろりと涙させるあたりの手腕も織り込み済みで、一回ではとても楽しみきれない罪深い映画なのだ。