イングロリアス・バスターズ

movie_kid2009-11-28

タランティーノは、俗にいう良い映画を撮りたいとかウケル映画を作りたいとか全然考えていないな、やっぱり。自らの映画的美学を貫く事が最優先なのだ。その辺、映画界会社も心得ていてやりたいようにやらせている。
ブラビが出ようが、歴史的タブーがどうのこうの関係なくタランティーノ節炸裂のこの映画も、だから面白い。ノリノリのばか騒ぎどころか、今回は欧州・フランスが舞台とあって埃っぽさもおさえられ長回しも多く、どこがじっとりと冷たく汗ばむような感じが出ている。タランティーノの成長ぶり、円熟ぶりが出ていると思うが、もちろん、マカロニウエスタン風ドンバチは健在でエグ味たっぷりのやり過ぎ感もたっぷりである。
しかも、ここまで映画溺愛されてしまうと映画ファンは、唸って痺れて楽しんで、拍手を送るしかない。