カムイ外伝

何とも、色んなものが全て機能していなかった。一つ一つ要素が極端に良くないのでなく、複合的に合わさっていい方向に一つも向かっていなかった。
ナレーションの山崎勉がいいし、松山ケンイチ、小雪、小林薫、悪役に佐藤浩市など、役者陣もそれなりに役にはまっていた。そうそう、問題はCGの使い方かもしれない。手裏剣が目の前を髪の毛一本分擦り剥けて飛んだり、秘術をそのまま絵解き解説のようにクリアにリアルに見せてしまう事で不自然さを感じ、それが積み重なって来て映画全体が歪んだいびつなものとして映った来た。
CGにたより過ぎたと言うより、その使い方に間違いがあったと思う。もっと巧妙に、使うべき技法をあまりにも全面に使いすぎたんだろうな。それによって、本当のドラマが弱く薄くなりつまらない映画になってしまった。