ウルヴァリン X-MEN ZERO

movie_kid2009-09-12

ミュータントとは、突然変異体と捉えるよりも精神的な意味合いも含めた、アウトサイダー的なはずれものと解釈していて、勘違いだったのだろうか。人気のシリーズになった、ミュータント映画『X-MEN』を観ると、ぞろぞろとミュータントが集結してなんだか、自分が思っていたものと違っていた。
望んだ訳でもなく、特殊な能力を手に入れたが故に孤独な外れ者になってしまった悲しきヒーローのイメージは、このシリーズに求めるのは無理かもしれないと諦め、その後は観なかった。
ウルヴァリンに話を絞ってその誕生の秘密を明かされるとなると、心動いてしまった。映画での狼男は、その変身まではなかなか良いのだが、その後はもう何とも単にでっかい犬でしかなく、無様でカッコウが悪く、なんだか笑ってしまうくらいのばっかりだった。キャラクターそのものが、暴力的でただ叫び、猛り狂うだけで品格もなく仕方ないのだが、男そのものの悲しきイメージなのだから、同性として見捨てておけない気もしていたのだ。ウルヴァリンは、変身はしないものの狼男の進化形とでも言えばいいのか、拳から突出する剣のビジュアルの良さもあってなかなか良い。魅力的なキャラクターだけに、オーソドックスな作りでいくらでもイメージは広がってゆくだろうに、結局は、突然変異の見本市のような盛りだくさんで意味もなく派手になって行く。地味で、渋くても大人が唸るような映画は、絶対に子供は喜んで観ると思うのだがなぁ。策略やら我がままだらけの憎しみが、表面にぼこぼこ出ているような単純な味わいの筋立てではなく、本物映画を観たいのだ。