ガマの油

movie_kid2009-06-19

役所広司監督、あなたの映画はするりと
心の中に入ってきましたよ。僕より少し先輩ですが
日本の若おじさん世代の考えている所として、身近に感じました。
死生観もどこか吹っ切れて明るく受けとめていて
考え込みがちになる所を、ぐいっと引っ張って気楽に気楽に
と、言ってくれているようにも感じました。
気になったのは、デジタル撮影のDLP映写のためか色が変ですね。
狙っている部分もあるのでしょうが、フィルムを見続けて来た者に取っては
あまりにも鮮やかで色彩の発色が全体的に強すぎると思います。
もう少しトーンを落とす色設計があっても良かったと思うのですが・・・
インタビューで、小林聡美さんはしっかりと“男”を見守ってくれる
男から見た、魅力的でいいオンナの日本代表なんですと、話してましたが
本当にその通りでした。全体の配役が、的確で素晴らしいです。
今回は初監督で主演も兼ねていますから
今までにたくさんの個性的な監督達の映画に出てこられているだけに
そこはかとなくそれらの映画のエッセンスが滲み出ているようでもあり
厚みを感じながらも、ささっと一筆書きのような力強さも感じます。
もちろん監督として映画を撮る事は大変なご苦労だったと思いますが
あんまり苦しんだ所など表に出さずに
役者のように(?)さらりとこなしていて、カッコ良いです。