スター・トレック

movie_kid2009-05-30

地方で育ったため、小学生の頃にやっとテレビが我が家に来ても
受像出来る放送局も、NHKと地方の民放の2つだけだった。
シリーズ当初の「宇宙大作戦』も観た事がなかったのに
なんの懸賞だったか忘れてしまったが
当選してプラモデルを送られて来た事があり
それが、宇宙船エンタープライズ号だった。
嬉しかったが、その斬新な形状はどっちが前か後ろかもわからなかったくらいで
組み上がった時のドキドキ感と同時に、番組を観れない悔しさとで複雑だったなぁ。
大人になってから、ビデオや劇場版でやっと観る事が出来たが
時代は「スター・ウォーズ」で、あまりにも衝撃的で魅力的だったため
スター・トレック」の方は、独特のリズムがあまりにも古臭く
ちょっとお高くとまっているような印象で、がっかりだった。
今回のリメイクにも「スター・ウォーズ」シリーズと比べると
日本ではメディアの取り上げ方や、上映館の数など盛り上がっていないようだけれど
広い荒野の中の宇宙空港で、建造されているU.S.S.エンタープライズ
この地球から無限の宇宙に向けて出航する姿、一気に気持ちが入って行った。
体感映像の上手さが、現実味の出にくい宇宙空間の戦艦の存在感を高めて
肉弾のアクションが、テレポーテーションのご都合的展開を押しとどめ
キャプテン・カークとスポックの個性、成長、絆を中心に
何よりチームワークの理念を、シリーズ当初の原作からしっかりと受け継いでいる。
光速で行き交う戦艦コックピットで、口頭での命令系統になんだか変だぞと思っていたが
すぐに払拭出来た。瞬時の判断や専門の仕事は各スペシャリストがしても
やっぱりそれを統合し判断するキャプテンがいないと、だめなんだよね。
人種はもとより、異星の人間とも一致協力して宇宙のフロンティアに立ち向かう
冒険心をくすぐる展開で、そこにはやたら力を全面に行使しようとする危惧は見られなかった。
映画が終わった後、思い浮かべる宇宙に何故か頭の中で流れてくる音楽はジョン・ウイリアム
キャラクターや音楽、解りやすさの魅力はやっぱり「スター・ウォーズ」だけれど
今回の「スター・トレック」は、その大人しさも気品とまで言えるような印象の変わり様で
それでいて、キャプテン・カークとスポックの若々しさと躍動に満たされて
クルーや映画スタッフに“She”とよばれている
まさしくスターシップのU.S.S.エンタープライズ号に魅せられてしまった。