ロルナの祈り(ふたたび)

movie_kid2009-03-07

あれ、先週観たんじゃないのと指摘されたらその通り
2度目を観に行きました。
複雑な映画でないし、すっかり引き込まれて堪能していたはずなのに
チケット屋さんの前を通ったら、衝動的に再び券を買ってしまった。
愛という言葉を使わないで書こうなどと、妙に構えたおかげで
不細工な感想になったことが、引っかかってリベンジしたかったのかもしれない。
上映館のホームページでの紹介は、さすがにプロフェッショナルな文章で
言葉の使い方やわかりやすさ、何より観たくなるように書いている。
チェックして気に入った人は映画館へ急げ、終了間近です。
簡潔に律儀なほどきっちりと練り上げられたストーリー、その中で唯一あやふやな部分こそ
この映画が、問い掛ける所。突き放した、欧州的と言えば良いのだろうか? 
ロルナが真面目でひた向きであればあるほど、人を傷つける事に繋がり
どう向合うか、その表情と行動がせつない。
若い女性のロルナが、母性からの発した事と理解はするけれどその先の愛が
いままでに表現された事のない、もしくは表現されなかった方法で描いていると思う。
男も女も年齢も関係ない、人が持つ事の出来る愛の形が、深く心に差し込んでくる。
後半のサスペンスな展開の先に、街中から黒い森の自然の中に移動して
劇中唯一使用される音楽、ベートーベンのピアノソナタがまさしく映画を包み込む。
厳しく過酷なこの世界を突きつけられながらも、人として取るべき行動、生き様を選ぶ
ロルナは、決して不幸にはならないと感じさせる。涙。涙。