ロルナの祈り

movie_kid2009-02-28

主人公のロルナは、若い女の子
ベルギー国籍を手に入れるために偽装結婚をしている。
銀行の窓口、何気ない生活風景の街角がなんだかとても冷たい感じ。
よそ者である彼女が、ギリギリのところで踏ん張っている切実さが
常に表情を硬くして、その裏返しで街に拒絶されているようにも見える。
偽装結婚の相手は、薬物中毒でお金のために自分を売るぼろぼろの男
ひたすら偽りの妻・ロルナにすがりつき彼女を追いこんで行く。
やっとロルナの笑顔が見れたのが、本当の恋人と再会した時
彼とは、国籍とお金を手に入れた暁にはこの国で店を持とうと約束を交わしているが
金になる原発の仕事をもとめて、欧州を点々としてなかなか合えないのだ。
そんな夢を叶えるために頑張っていても、厳しい現実は過酷で
国籍を手に入れたら、また別の偽装結婚をして金を得る仲介者との約束もあり根深い。
自分の幸せのために、人を踏み台にして越えて行かなければならない所で
ロルナの笑顔が完全になくなった。
切羽詰まり徐々に変化してくる彼女の行動に、前向きととるか逃避と取るか曖昧なまま
その一瞬一瞬が、人生を決めるという単純で明解で、大事な事を思いを出させる。
理解に苦しむ行動をとるロルナを、どう見れば良いのか混乱していくなかで
映画は、静かにやさしく包み込んでいった。涙。