第三の楽園『水元公園』の幸せ

かつて、このブログで『お台場』の“ひとり野外飲み”のススメを書いた。
「お天道様の下で、明るいうちから酒を飲んでどうする」と、いった考え方もあるけれど、休日に景色のよい公園に行き、ピクニック気分で軽く飲むのもいいものだと言いたかったのだ。それに『お台場』といっても、フジテレビやレジャー施設がある方面ではなく、江戸時代に作られた海上要塞の跡地を解放しているレインボーブリッジ近くの公園のこと。
基本的には、思い立ったら、サクッとひとりで出かけるに限る。
荒川区の自宅から、朝、手早くおつまみになるようなものを作り、昼には、眺めのよい所でのんびり腰を下ろせているような手軽さがいい。とは言っても、住宅街の中にぽつんと猫の額のような公園では、ちょっと違う。
『お台場』に行く時は、レインボーブリッジを歩いて渡る散歩コースも楽しく、帰りには、東京のビル群を海上から眺めながらのほろ酔い千鳥足で、さらにいい気分だ。

↑とても、東京都区内とは思えないほどの広い草原と遠くに森林が見える『水元公園』。この辺は奥まっている場所で、草原の周辺をまわるとかなり歩く事になるが、人も少なく気分も上々。
次に『葛西臨海公園』も紹介した。
ファミリーが集う公園で、家族連れと完全にエリアが重なるが、海に突き出た干潟もあり公園全体の敷地も広く、混み合っていても、わずらわしい事もほとんどない。バードウォッチングのコースも、酔い覚ましにちょうどいい散歩になる。
なにせひとりだから、誰に気を使う事もなく自分の気に入った静かな場所で、ぼんやり飲んでいれば良いのだ。
     ☆

↑菖蒲園のエリアでは、5月も末になりたくさんのショウブが咲き始めていた。ショウブにとっては、梅雨の雨が待ち遠しいだろう。
第三の楽園、葛飾区『水元公園』に、最近とくにハマっている。
何度と来ていた公園ではあるが、気候のいい春の連休前後に、あらためて気に入ってしまった。梅雨前の駆け込みで、5月には3回も立て続けに来ている。
先月から、自由な時間が手に入ったのだが(要するに、求職中の身)さすがに、平日に来る事はない。週末と、土日でないと酒は飲まないし「昼酒は、日曜日に限る」と自分で決めている。
ここの公園は、広い駐車場もあるのでマイカーで来る家族連れも多く運転をするパパは、もちろん飲むことができない。バーベキュー場があり、若者達はバスに乗って団体でやって来るが、持ち込む酒類や食品のためか、そのバーベキューエリアから出る事はない。
こちらも電車とバスを使うが、お一人様の飲み食べ物しか持っていないからとても身軽だ。広い園内を散策しつつ、いいポイントを探してまわることができる。
水郷の公園だけに、湿地やゆったりと広い水辺もある。釣り人もたくさんいて、子供達はお父さんと玉網を持ってエビやら小魚をすくっている。
酒だけを飲みに来ているのではなく、そんなアウトドアの風景を楽しみながら野外飲みを満喫している。

↑『メタセコイア』という名の落葉する針葉樹で、スギの仲間。枝ばりがあまり無くまっすぐ上にのびる幹と葉っぱはトゲトゲでなく優しい感じがする。公園内にあるものは現在、高さは20メートル、幹回りが1メートルぐらいだそうだ。

↑ペットボトルに半分水を入れ斜めにして、まず冷凍庫で凍らせる。そこに芋焼酎を入れ、更に冷やしたものは、保冷の袋入りで半日たっても氷も充分に残っている。ボトルの中で、ちゃんと焼酎のロックになっていて、はじめが濃いめで徐々に薄まって来る冷え冷えを楽しめるのだ。左は、春らしくマカロニサラダに空豆入りと、右は商店街の焼き鳥や自家製のロールチキンにプチトマトとブロッコリー添え。
森林の中に点在するテーブル付きベンチに目を付けていたが、人気があるようで、いつも空いている事がなかった。今日は、いいタイミングで確保する。飲み始めるには、まだ早い時間だったが、ベンチに座り森林浴を味わっていたら、別に昼前だっていいじゃないかとゆっくり飲み食べ始めることにした。
針葉樹の木立が、まっすぐ空に向かって伸びていて、風が抜けると木漏れ日もゆれる。

↑ペットボトルの芋焼酎、2本分だが水も半分入っているので、正味は500ml。さすがに昼酒としては、酔いがよくまわった。ただ、2時間かけてゆっくり水と一緒に飲んでいるので、変な酔い方はしない。ベンチに寝転んで見上げたら、空に突き伸びた木々が、とても美しかった。
緑に包まれていると、こんなにゆったりとした気分になれるのか。
もしくは、ペットボトルの冷たい芋焼酎がするするとノドを滑り落ちて、早くも酔いのさざなみがよせて来たのだろうか。
午後になると、日なたはとても暑くなるだろう。(5月29日飲)

↑水辺は、水元公園の水郷らしい風景。藻や水草も多く、きれいな水ではないが、所々でスイレンも可憐に咲いて目を引く。