愛用のカメラ、リコーGRの帰還


築地・駒忠のオープン・テーブルで思いは募り、液晶画面が大破した愛用のカメラを、新しいのに買い替えるのではなく、修理することに決めた。
常に持ち歩いていたカメラがないことの寂しさもあり、とにかく、すぐに修理に出そうとグイッと酒を飲み、夜空を見上げながら思うのだった。
そのカメラが、とうとう新品同様になって、とは言えないまでも修理完了して我が手の中に戻ってきた。
それで、修理代はいくらかかったかと、聞かれたら押し黙ってしまうしかない。
修理代と新たにGR純正のカメラケース、バッテリー、SDカードと買いそろえてしまったので4万円近くが費やされた。
最新のこの機種のカメラは買えないとしても、中古なり、似たようなコンパクトカメラの新製品は買える値段で、やはり高くついてしまった。

↑こんなに自然が、刻々と姿を変化させてゆくのかと実感したこの数ヶ月。新宿御苑に魅せられ続けている。
そんな結果になっても、ケースをベルトに通しカメラを腰に付けてみると
「我がライトセイバーが、帰還した」と、言いたい様な気分になった。
スターウォーズジェダイの騎士が、常に携帯したライトセイバーが、我が身に戻ってきたように思うのだった。
なんとも大げさに書いてしまったが、やたらに嬉しくて身に付けると、さっそく、お気に入りの新宿御苑に行くことにした。

↑はっきり言って、もう夏です。木漏れ日が、眩しい。

↑広々とした芝生の広場に、大きい木。都会の真ん中とは、信じられない。
今年の始めに新宿御苑のパスポートを購入してから、春の桜のシーズンも過ぎたとはいえ、すでに16回も足を運んでいる。しかし、カメラが故障してから2週間、連休明けで忙しかったこともあるが、カメラを持たないで新宿御苑に行くのもなんだか間が抜けていると思え行ってはいなかった。
仕事の方は、ちょうど切れ目だったので平日の一日午前中はスポーツジムに、それから自宅から保温できるフードコンテナに詰めて来た簡単スープとおにぎりを買い足して、新宿御苑でランチを食べ、散策に歩き回る。
万歩計が、一万歩に近づくあたりで15時も回っていたから新宿御苑を後に四ッ谷に向かった。
銭湯で汗を流してから、のどを潤しに一杯やりに行くつもりだ。

染井吉野に、サクランボがなっていた。当たり前のことなのだろうが、自分で見つけて驚いた。

↑銭湯は、ありがたい。11,560歩、8,39キロ歩いてヘロヘロだったが、汗を流して湯船につかれば疲れも取れて、さぁ、立ち飲みで飲もうと元気が沸いてくる。
『塩湯』で、さっぱりして、そのまま四ッ谷のしんみち通りや新宿通りをはさんで反対側すぐの地酒の『鈴伝』で旨い日本酒を飲むのもいいのだが、平日にのんびり休んだ時には、いきたい店がある。
水道橋『うけもち』で、このブログでも何度か載せたことがある。

↑赤提灯もなく、木の看板に『うけもち』の文字だけ。このシンプルさが、好きです。

↑ビールにサラダ、カードにハンコ2個押してもらう。
17時開店の立ち飲みで、気の早い近所のサラリーマンがぽつぽつ飲みに来るが、この時間はとても静かだ。サラリーマン御用達の酒場で、おつまみの短冊が壁一面に貼られている店とは、少々、趣が違う。
余分なものはまったくといっていいほどなく、とてもシンプルで、質実剛健の山小屋風でもある。メニューも魚類中心で、炒めたものや揚げたものはなかったと思う。冬場には、肉豆腐やおでんがあり、夏場は、スパゲティーサラダが定番。そして、季節のお刺身、薬味やしょう油のかかった刺身の漬けの類いも旨い。
酒も料理も、ほぼ一律300円で、3千円のカードを買えば、一つおまけの11個のハンコが押せるようになっている。そんなに頻繁にこの店に来る訳ではないが、年中このカードを持ち歩いている。1個でも、2個でも残って使えるカードを持っているだけで、なんだか、いつでも旨い酒が飲めるお守りのような感覚で持ち歩いているのかもしれない。期限なんかついていない所も、嬉しい。

芋焼酎ロックにカツオの漬け。これも、ハンコ2個押してもらう。

↑シメサバ+コハダの酢の物兄弟、これは、ハンコ1個に百円が戻って来た。200円の皿だったのだ。
ハンコでカードが埋まって行くことに、本来なら悲しくなる筈なのだが、逆によく飲んだなとハンコがたくさん押されたカードを見て嬉しくなるのが、不思議な所だ。
準備したおつまみが無くなれば、売切れご免の営業方針かどうかわからないが、あまり遅く来るとおつまみ類が無いのがこの店の難点。あまりにも商売っけが薄い様子なのも悪いというよりは、そのゆるさがのんびりできる店の雰囲気とも言える。
その点、仕事がない平日に早く来ることでこの難点をクリアできている訳だ。

↑鴨の燻製、これはちゃんと300円でハンコ1個。ちょっとした一皿が、ひとり飲みには本当にぴったりな店。
氷を入れたグラスに、焼酎コーナーから自分で選び一升瓶から注ぎ入れる方式で、ここでこぼすとカッコ悪い。ビールにロックの焼酎3杯も飲めば、ほどよくいい気分になり、手元が狂って焼酎を注ぎこぼすまで飲み過ぎることもなくのんびりとした一日を終えることができた。
普通なら、1時間あまり『うけもち』で飲めばそれで満足して帰路に着くのだが、近くに前から気になっている店があった。『うけもち』の開店時間より早く来てしまった時に、この店に気がつき金宮焼酎の看板にも惹かれ入ってしまおうかなと何度も思ったことがある。
やめておこうといった心の葛藤がない訳ではなかったが、煮込みの味見だけでもと店に吸い込まれてしまった。

↑もつ焼き『でん』の水道橋店。今度は、飲み始めに来て串焼きを食べよう。

↑酔いが、激早に回るシャリキン・ホッピーにやられてしまった。
ホッピーは、シャリキンだ。
シャーベット状の金宮焼酎がなんとも、そそられる。
煮込みもこってり味噌味で、モッチリ大きめのモツ。これは、牛モツなのかもしれない。
と、書きながらどうにもあまり記憶が定かではない。シャリキンの中を、一回おかわりした記憶があるがそこらあたりからもやもやとしている。
シャリキン・ホッピーの恐ろしさ、だった。
せっかくなのだから、焼きトンも食べにまた来ようと思った、もつ焼き『でん』の水道橋店。後で知ったが、新宿・思い出横丁の新人気店『ウッチャン』で修行した人が、出した店らしい。
肉モツの刺身類も売り物にしているようだったが、肉の生問題にどう対処して行くのだろうか、ちょっと心配になった。(5月21日飲)