デジタルカメラの液晶画面が、大破。

購入して、かれこれ9年ほど付き合ったデジタルカメラのリコー・GRが壊れてしまった。カメラの電源を入れたとたん「わぁー」と声をあげてしまいそうになった。液晶画面が、見るも無残な状態になってしまったからだ。
ブログにアップするのをたびたび怠ってはいるが、いつも腰に付けていたカメラで写真だけは、撮り続けていた。書けるか書けないか、記事をアップできるかは置いておいても、とにかく写真だけでも撮っておけば、どこで、何を飲んだかをたよりない記憶だけでなく、ちゃんと写真という形で残すことができる。
そんな便利な道具が使えなくなると、丸腰のガンマンのような情けない気分になってくる。
すぐに修理に出すことも考えたが、修理するより買った方が良かったり早いといったことは、今時はしごく普通だ。ここまで、よく耐えたと言っていいくらいで、見るからにぼろぼろだし、デジタルになったこの機種の初代のカメラで、すでに4世代も進化している。
ゴールデンウィーク中に見舞われたアクシデントだったのが、休み明けに仕事が立て込んで、どうするか決めかねていた。
    ☆
最近としては、めずらしく土曜日も仕事になり、どっぷりと日も暮れ、腹が減って仕事先の築地界隈で放免になった。一杯飲みたいものの、もうどこかに移動してなど考えられないと、築地・駒忠へ急ぐ。
往々にして、こんな時はツキがない。
店の座敷は、団体に占拠されテーブルやカウンターも客でいっぱいだった。嘆く前にこんな時は、この店の強みで入り口横のオープン席があるではないか、と、勝手知った屋外の席に陣取った。
そう言えば、連休一週前の金曜日の遅い時間にも、ここで飲んだのだが、ゴールデンウィークのこの時期だから、むしろ外の席の方が気持ちいい。
真っ赤な顔をした帰りがけの客が、外の席で飲んでいる僕を見て
「俺も店が混んでいたらここで飲むけど、いいよな」と、声をかけてくる。
早くも酔いもまわり始めこの気持ち良さを、写真で撮っておきたいと思うものの今は、カメラのない丸腰だった。

ゴールデンウィーク少し前の金曜日に、同じ入り口横のオープン席で撮った画像。たびたび来る店ではないが、いつのまにか定位置になってしまいそうなこの席がお気に入りになってきた。市場に近い場所柄だから、魚の刺身からがいつものコースだ。

↑従業員のお姉さんに「中の席が空いたよ」と言われても、こんな気持ちの良い席は離れたくないと最後まで外で飲んでいる変な客を、おかみさんもたまに来る客として優しく対応してくれているようで、嬉しい。
壊れた古いカメラとはいえ、妥当な金額なら、早く修理に出そうと強く思い始めた。
いっそ新しいカメラにと思う気持ちもないではないが、壊れたから、それまでとはあまりにも寂しい。ひとり飲みの大事な相棒のカメラなのだから、そう簡単にさよならはできないだろう。(5月9日飲)