いつもと違うぞ、フレンチ立ち飲み

なんとも変な勢いで、ブログのペーパー版と称して冊子を作った。手伝ってくれた飲み友達との飲みながらの編集会議や、打ち上げなど冊子をネタにして、たびたび飲むのは楽しかった。ただ、原価版の手作り表紙ケースなど、実際の制作に手間も時間もかかり、自腹でもあることで勢いも長続きせず、かなり面倒くさいものだった。
予定していた部数の半分は、作ってバラまくことができたが、個人的な知り合いに郵送しようとしていた分に手がついていない。久しぶりのあの人に「相変わらずで、バカな事やっていますよ!」との私信の意味合いも込めて早く送りたいのだが、時間も取れずにいる。
仕事に追われていても週末には、無理矢理飲みに行ったりもしていたが、それも、時間もなくブログに書けないでいた。
土曜日も仕事をしていて、やっと休みの日曜日に銀座で映画を観て、さて、一杯飲みたくなってもいつも行く店はだいたい定休日。思い浮かぶのがビアホール銀座『ライオン』と、日比谷公園内の『日比谷茶廊』(今はHIBIYASAROHと英文字らしい)あたりか。梅雨の真っ最中でも、曇りながら雨も降っていないので、迷わず日比谷公園に歩き出した。

↑とりあえず、ビールと生ハムのセットが好き。そして、草木の薫る野外も。
日曜日だからか、ランチ時からだいぶ経っているのに満席状態で、入り口横のまったく外の席しかなかった。
アイルランドのキルケニービールのマイルドな泡を楽しみながら、生ハムを食べる。まわりには、緑があり、花があり、鳥の声も聞こえる。

↑いつもきれいに整備され、手のかけている日比谷公園
横丁も良いがテラス飲みも、ふむぅー、いいな。
と、パイントのグラスがすぐに空になった。
急いでいる訳ではないが、入り口横だから並んで待つ人々も目に入り、2杯飲んで席を立った。酔って来たと言うには微妙なところで、腹の方からほんのり暖かく、心はしきりに酒を欲求している。つくづく、ボトルに氷と芋焼酎をつめて持ってこなかった事を後悔した。日比谷公園の噴水も、しっとりと涼を感じさせている。
日比谷公会堂まで来て、ひらめくものがあり、そのまま山手線方向のコリドー街の通りへ向かう。かつて何度か立ち寄ったこともある立ち飲みバーを思い出したのだ。
French Bal 『VAPEUR(ヴァプール)』
立ち飲みだけでなく、カウンターも、奥にテーブル席もあるようだ。立ち飲み用の樽を改造したテーブルの前でメニューを見ると、店員がにっこりしてこちらに来る。ニッカのシングルモルト『宮城峡』のハイボールを、心の欲求のままにダブルで注文した。

↑French Bal VAPEUR(ヴァプール)は、コリドー街の中に入っているのかどうか知らないが、やや新橋よりの高速のガード下。
キャシュ・オンで支払うので、いくらと聞いたら「ダブルだと倍の金額になるので、濃いめで作りました。一杯分の値段です」と言う。何を勝手な事をと、怒るほど頭が固くなく、飲んでみたらダブルよりも濃いのではと思うくらいだった。
フレンチ惣菜の盛り合わせを頼み、日曜日の午後のひとときを心地よい酔いに身をまかせた。ニッカ『宮城峡』濃い目のハイボールが、気に入ってしまったのだが、フレンチだからかメニューに知らない言葉があちこちにあり(レストラン経験があれば問題ないだろうが)揚げ物食べない自分が、イカのフリッターに目をつけるも、フリッターが揚げ物だとはすぐには思い浮かばない。

↑フレンチと言っても、どこにでもある野菜などの食材。ただ、味付けが、なるほどちょっと珍しい。醤油味でないところが、いいウイスキーハイボールに合うのかもしれない。
三杯目のハイボールを飲むためにもう一品、鶏レバペーストを注文した。食べつけない料理に、わざわざここまでレバをつぶさなくてもいいのにと、ペースト頼んどきながら文句がこぼれ出る。しかし、ハイボールに合うものなのだなと、食べてみて複雑な味わいに驚く。

宇宙食ではないのだから、チューブ入りにできるほどまでドロドロにしなくてもいいのにと思ってしまう。
日曜日の銀座『映画 → 日比谷茶廊 → フレンチ立ち飲み』いいコースだと、本日ここに認定した。もっとも焼酎に比べたら、少々高くつくが、日曜日と言う事でお許しいただこう。(7月6日飲)