エレニの帰郷

movie_kid2014-01-28

回顧上映で、過去の旧4作品を見た後の流れですんなり観れるかと思いましたが、テオ・アンゲロプロス監督のこの遺作を観てやっぱり難しい映画だと思いました。東欧州の歴史的なこともさることながら、身近に国境や大国の圧力や進攻に恐怖する感覚に自分があまりにも鈍感だからとも思われます。半世紀にも渡る別れと再会の人生の旅路の果てにでも、心落ち着く場所のない悲劇が描かれています。そんな寒々とした雪の降る情景の中に、微かなぬくもりが感じられる気もして、それが誰もが求める希望ということなのかと思いました。