永遠と一日

movie_kid2014-01-24

ギリシャの港町で、病のため自分の命も残す所わずかと悟った詩人であり作家の、最後の一日を綴った映画です。想いは、すでに亡くなった妻のことや、娘が生まれたばかりのこと、少年時代の友との冒険にと自分の人生の最良の時をめぐります。ひとりの難民の少年と出会うことで、死を目前に自分が恐怖を感じていることを知り、少年もまた未来に対して不安と恐怖を感じています。そんな二人が、別れの前に市内を走るその名も “魂のバス” に乗り込み、人は命とともに魂を持つことを観客に感じさせる心に残るシーンでした。主演のブルーノ・ガンツの素晴らしさは『ベルリン天使の詩』同様で、苦しみながらもおおらかで純真な子供っぽさが滲み出ていました。そして、難民の少年の寒さと恐怖に押しつぶされながらも見せた笑顔も、忘れられません。