築地場外、きつねやの煮込み定食と台風上陸

築地の隣、新富町に仕事で通うようになってもう半年以上過ぎていた。日比谷線築地駅を使っているので、築地に観光に来る人が多いのに驚きもしつつうんざりしていた。団体のツアーの群れもめずらしくなく、通行にも支障が出るほどだ。
せっかく築地の駅で乗り降りしているのだから、場内まで行かなくてもすぐ通りの向こう場外の『きつねや』煮込みを食べたいなと思い続けていた。週の後半まで、仕事が途切れ休みになったので、映画を観る事にして、朝は、いつものようにジムに行って汗を流し、事務所ではなく東銀座の映画館に行く。ふと思い立って、築地で昼飯を食べようと場外に来てみた。今夜は、台風が関東にも到達されると報じられているのだが、まだ、どんよりした曇りのままで雨も降り出していないためか、観光客で大賑わいの築地場外の通りだった。

↑生卵とビールが、足りないぞ! と、誰かからチェックが入りそうだが、映画の前の腹ごしらえに素晴らしかった築地の場外『きつねや』の煮込み飯。

混雑で、目指す『きつねや』にたどり着くのもやっとだったが、もつの煮込みが美味しかった。赤みそ系でも、見かけほど塩辛くなくやさしい味だ。丼もあるが、確かここを教えてもらった時、煮込みとご飯を別にした方が良いと聞いたのを思い出し、キュウリのお新香も忘れなかった。本当は、生卵もあると良いのだが、ちょっと迷ってるうちに言いそびれた。もうひとつ、大事なビールも足らないぞと言われそうだ。
隣で、仕入れを済ました長靴のプロフェッショナルなお兄さんは、ビールを旨そうに飲みながら煮込みをつついている。はじめに煮込みをビールのお供にするために、丼じゃない方が良かったのだ。ご飯は、並みしかなく、ビール飲むならこのご飯の量は多くて無理だな。煮込みと別皿のほうが、味の濃さを調整しながら食べる事もできるので丼じゃなくてよかったとも思う。まぁ、好みで別れるだろうけど。肉豆腐もあるので、今度は、それにもチャレンジしたい。
これから、名画座の古い映画2本観るので、ビールはやっぱり我慢するしかない。
映画が終わって外に出てみると、台風の接近でどことなく雲行きがおかしいが、激しい雨が降っている訳でなかった。ぐずぐずしてると、今夜は台風接近で大変な事になるだろうが、まだ、大丈夫だろう。一杯、飲みに行く事にする。

↑水道橋『うけもち』は、表通りからひとつ奥まったところにあり、この簡素な店構えからして並みの立ち飲み屋と一線を画す。

↑前回に使い残しのカードを持参すると、その時点でお金の用意がいらなくてするっとビールとサラダが手元に来て嬉しい。

開店の早い時間に行けるなら、さくっと飲める水道橋『うけもち』が、お気に入り。
飲み物、おつまみが、300円均一の立ち飲みで、3千円で11品のカードにまだ残りがあった。この前来たときは、肉豆腐やおでんなど冬の定番料理だったが、料理も衣替えで、スパゲティーサラダが旨そうに皿に盛られていた。
その後は、迷う事なくカンパチのづけといわし刺に芋焼酎のロックに飲み進める。ちょこちょこっとつまめる魚は、マスターがきっちり築地で吟味した旬のものだ。
NHKのニュースをTVで流していて、台風4号が、たった今、和歌山県に上陸したと現地で風にさらされたレポーターが必死に伝えている。自分の出身地に、台風が上陸してるの見聞きながら飲んでるのもどうかなとうしろめたさをチクリと感じながら、グラスを口に運んだ。

↑つまみの種類が多い店ではないが、ひとつひとつがしっかりした品質と味。

↑刺身類など、生ものはすぐなくなるので早い時間に来ないと満足できないかもしれない。

↑焼酎のロック3杯目を飲みたいのでつい新しいカードを買ってしまった。もちろん、現金300円を払いつつ飲めるが、おまけ付くカードが魅力だ。たっぷり飲める新しいカードで、今度来る時も余裕だな。