生きつづけるロマンポルノ①

movie_kid2012-05-19

『妻たちの午後は』より 官能の檻
監督:西村昭五郎
『エロチックな関係』
監督:長谷部安春
ロマンポルノって、ゆるーい、映画だった。
日活創立100年記念『生きつづける ロマンポルノ』と題して、厳選の32本を3週間連日上映する企画。全盛期のほとんど観たことがなかったロマンポルノだけど、観てみたい気持ちは持っていた。
堂々とポルノ映画館に入れる年齢になっても気恥ずかしさもあってなかなか観ることもなかった。普通に映画にのめり込んでいた時期で、観たい映画がたくさんで手が回らなかったこともあったのだが。
この機会にと正面切って観てみると、何だかスカスカで拍子抜けする。しかし、冒頭から濡れ場のシーンが続くあたりで、本当にゴクリと唾を飲み込んで喉が鳴ったのには笑いそうになった。単館系の映画館で小さいとはいえ80人ほどの観客が固唾を飲んで、あへあへを観ていることにも何だか笑える。
原作の興味で『赫い髪の女』は、観たことがある数少ないロマンポルノだが、選ばれてたいのでぜひ観たいとは思っていた。上映の順番の兼ね合いで、とにかく観た今回の2本が少々物足りなかった。
1本の映画に最低、3回のセックスシーンが条件のロマンポルノだそうだが、そんなものを上回る大サービスの連続の濡れ場でも、あまりにも不自然にご都合的なところが目につく。
若い内田裕也扮する探偵もの『エロチックな関係』は、ぼんやりとだがミステリー調に話が盛り上がり真犯人のアジトに車で急ぐ道中にまたしても唐突に濡れ場に入り、早く済ませて先に急いでくれよとついイライラしてしまった。
この程度なら、もう観なくていいかと思う気持ちと、2本ぐらいじゃ判断できないかと気持ちが揺らいだ。時代を感じさせてくれるような、圧倒される力強いロマンポルノの1本を観てみたいのだが・・・。