定例飲み会は、十条『斉藤酒場』で

今年の冬は、寒い。2月も終わりでそろそろ春の便りが届いてもおかしくない時期なのに、冷え込む日が続いている。東京に、また積もるような雪が降ったが、先週からの約束で飲みに行った。

↑朝、早くから雪が舞った東京だった。店の前は、ちゃんと雪をどかしていた。
飲み友だちとの新年会は、神田の三州屋だったが、通常のふたり飲みは十条の『斉藤酒場』に行っている。以前は、立ち飲み屋にもよく行ったが、いつのまにか建物や店内が昭和そのものでいい雰囲気で飲める『斉藤酒場』が2人のお気に入りになった。気さくな料理が、良心的な安さで食べて飲めるのだから言うことない。仕事後のお疲れさんを言いながらの乾杯に、大瓶のビールがとても似合う店なのだ。自然木のテーブルにさりげなく花が飾られていたり、店の空気に見守られ日々の出来事や想うところを話しながら杯を傾けるいい時間だ。

↑大瓶のビールが似合う、昭和の『斉藤酒場』

↑飲み友だちの相方は、飲みはじめの肴に何故か里芋の煮たものや今夜のカボチャとかを食べたがる。一口食べたら、ほっこりしていたが、ビールに合わないと思うのだが。身欠きにしんの煮物は、もちろん好きだ。

↑シメサバももちろん大好き。これが来ると燗酒にしたくなる。

↑タコ刺。これも、毎回、食べてるな。

↑まぐろ刺。時たま、驚くほどのいいまぐろが出て来るが、今日のは、普通だな。
金曜日は、いつも混んでいて席があるかどうかはらはらする状態で、何とかつめてもらったりしていたが、今日は水曜日だからかゆったりと余裕がある。客のみんなもあまり長居をせずにさっと飲んで帰るようだ。向かいの先客がすぐに帰ったので、店全体が見渡せる奥の席に移動した。厨房側の壁につらなっているメニューも一望できるこんないい席に、かつて座ったことないねとうなずきあった。

↑ポテトサラダも『斉藤酒場』で、外せないメニュー。

↑春の味わいで、アサツキのぬた。

↑サバ味噌煮も、やたら燗酒が進む。惜しい、オニオンスライスがない。この煮汁をオニスラにつけて食べると旨いんだ。

↑ふろふき大根。

↑セロリは、口がさっぱりする。

この『斉藤酒場』に飲みに来ていて十数年、一度もここの女将さんが店にいなかったことなどなく、ご高齢ながらいつも元気に太陽のような笑顔と心遣いをしていてくれた。その女将さんが、今日はいなかった。長年手伝って来た嫁の義娘さんがいるので、どうされたか聞いてみたかったが、数ヶ月のブランクで来てるのでこわい答えもあるかなと頭をよぎり、言いだせなかった。
気がつくと、お銚子も一人5本の規定(勝手に自分できめているのだが)になってしまい、まだ飲みたそうな相方の背中を押して店を出た。ただ、僕としてもこのまま帰るつもりもなく、もう一杯は飲みたいのだ。千鳥足で、なおかつ雪で滑って危うい夜道を歩きながら相談の結果、最近ブレイクしてる桜台『秋元屋』に池袋経由で西武線に乗って行くことになった。最後に、ビールをぐいっと飲めればよかったのだが、シャリ金ホッピーならなおうれしい、少々面倒でも酔った勢いで向かった。

↑わざわざ、乗り換えしても行きたくなった桜台『秋元屋』

↑シャリ金ホッピーが、たまりません。でも、飲み過ぎ注意。しかし、もう飲み過ぎちゃってるよな。

↑手前のは白、奥のが黒ホッピー。僕の好みは、白ホッピー。

↑水なす。丸く太いのではないのだが、美味しい浅漬けのなす。

↑タンとレバの半生焼き。ほとんど生に近い状態で、生醤油、生姜で食べる。

問題は、ここの焼きトンやら食べたいものがいっぱいありながら、もうかなり飲んで食べた後なので、厳選する必要がある。半生焼きは絶対食べたいし、塩、たれ、辛味噌と味のチョイスもあるし、すでに酔っぱらっているので頭は混乱してくる。お互いの話を聞きあって穏やかに飲んでた2人が、ここに来てカシラは辛味噌だの塩だのもめているのが、なんだかとてもおかしかった。酒飲み各自各様に、こと焼き物に対しては好みの組み合わせがあり、自分好みを押し通したり、相手にあわせたり、自分のしない食べ方に驚いたりして、少々もめるのも“ふたり飲み”の楽しさだ。
そうこういっているうちに、ラストオーダーの時間が来てしまった。満足以上に、飲んで食べてしまったな。

↑ここのぬか漬けもうまいのだ。食べかけで申し訳ないっス、途中で撮り忘れに気がついた。

↑焼きトン屋で焼き鳥を出すのが、どうも解せない。けど、旨い鶏の白レバ塩焼き。

辛味噌で焼いたのが、シロと、なんだっけ。忘れている。

↑カシラとレバで、これも辛味噌だ。そうそう今夜は、大切なことを決めたのだ。毎年、続けている桜の花見をどうするか、決行するならどこでするかを話し合う予定だった。昨年も震災後、自粛ムードでみんな控えてしまい人出の少ない中でも花見をしたので、恒例のことはできるならやろうとなった。2人して、桜を愛でながらのしみじみとした酒盛りを約束したのだった。