幕末太陽傅

movie_kid2012-01-28


この軽やかさは、なんだ。テンポがよく、セリフとアクションがはじけていた。日活の100周年のデジタルマスター化した1957年作の特別上映。監督の川島雄三(かわしま ゆうぞう)は、黒沢、溝口、小津に続く大監督だったそうだが、主演のフランキー堺はてっきり歌手だと思っていた。こんな軽快でいい役者だとは、知らんかったなぁ。江戸末期の品川の遊郭が舞台、いくつかの落語を集めて映画にしたというが、かつてこんな邦画を観たことがなかった。江戸時代末期の人々の死生観や“粋”っといった部分まで、遊郭のセットのすみからすみまで使い表現されていた。石原裕次郎高杉晋作だけはいただけないのだが、とても50年代高度成長期に向かう頃の作品に思えないほど、そのままの江戸時代の日本人の姿を垣間みることができるような凄い映画だった。