テオ・アンゲロプロス監督が、死去

movie_kid2012-01-27


昨日の新聞で知った。新作映画の撮影途中で、バイクにはねられ事故死した。ギリシャの映画監督で、日本の世間一般に認知度は少ないが映画関係者や映画ファンにとっては長く映画制作を続けて来て、国際的な映画賞を数多く受賞してきた大きな存在だ。
名声を確立した『旅芸人の記録』(75年)は、当時の映画小僧には理解できる映画ではなかったが後の『ユリシーズの瞳』(95年)の出会いは衝撃的だった。気軽に観るのも映画なら、これぞ芸術である映画も存在している。揺るぎもしない芸術としての映画の映像表現を確立した監督。さも、とっつきにくい映画だと思うかもしれないが、そこに描かれているのはまさに人間そのものだった。
映画小僧にとって『ユリシーズの瞳』は、人生において最高の3本の中に入ると確信している。数年前に、紀伊国屋レーベルでDVDボックスを高価だったが手に入れた。いまだ、一度もそのDVDをテレビで気安く観ることができないでいる。

悲しい訃報のニュースにいたたまれなく、ご冥福をお祈りするしかない。

新作の撮影中の事故だけに悲しむだけでなく、テオ・アンゲロプロス監督の作品の映画館での特集上映など関係者に声を大にしてお願いしたい。