コーラスの演奏会前に途中下車、赤羽の立ち飲み『いこい』新店舗に

かれこれ16年ほどになる連れ合いは、ずっとコーラスを続けている。会社の勤め人をしながら、それ以外の全精力を合唱に費やす生活だ。本人が、好きなのだからとやかく言うつもりもないが、仕事が休みの日でも家にいることなんて、ほとんどない。夫婦だけの家族だから、お互い忙しくしていて問題はないが、この秋、休職中になったこちらは対照的に自宅でいる時間が増えた。それに伴い分担していた家事が、コチラの肩にどっとのしかかってくる。家計に入れるお金は折半で今までと変わらないのに、仕事をしていないことで、ひたすら弱い立場になって家事を押し付けられている。

↑演奏写真の撮影は、NGなので始まる前のステージ。ピアノもパイプオルガンも使って豪華な演奏会だった。基本がアカペラで歌う20人ほどの女性コーラスグループで、川口リリア音楽ホールで昼、夜1回づつのの定期演奏会だった。

2つのコーラスグループに所属していて、練習から始まって演奏会や演奏旅行で、海外にまで行っている。そんな活動の中で、20年以上続けている女性コーラスの定期演奏会だけ、年に一回、聞きに行っている。考えてみると彼女と知り合ってから、この女性コーラスの演奏会には、まったく、欠かさずに足を運んでいることになり律儀なもんだと自分で驚く。
海外のコンクールに出場するくらいだから、へたではないだろうが、自分の好きな音楽ではないし、年に一回の義務的な感じだったのは否めない。ある時、一杯飲んでほろ酔いで聞きにいったら、なんとも心地よく2時間あまりを過ごすことができたので、それからは、必ず飲んでいくことにしている。
演奏会の会場が、埼玉県の川口駅なので、ひとつ手前の赤羽駅で途中下車して飲んでから行くのがこの何年のパターンだ。赤羽には、立ち飲みの名店『いこい』があるが、新店舗に引っ越したと噂で聞いていた。『いこい』で飲んだのが、昨年の演奏会だったから、1年ぶりで、新店舗に行くのは初めてだ。飲む前にまず向かったのが花屋で、プレゼントの花束を注文して料金を支払い1時間ほどで取りに来るからと言い残し、さて、飲みに行くか。

↑新店舗『いこい』グループなら樽テーブルの半外飲みができる。マジックで書かれた店内メニューの短冊も変わりがない。

新『いこい』は、前と同様駅の東口から右方向にどんどんいったところで、少しだけ遠くなったようだ。何となく、前のお店に似た感じながら新しくなった分、小綺麗な印象がした。110円のおつまみも健在だが、お刺身類が130円。焼きトンが、部位によって少し違うが、2本220円で、安さで勝負の精神は変わっていない。

↑取りついたカウンターの位置で、作り置きの皿が見えにくい場所だったのが不覚。煮魚は、なんですかと聞いてみたら、カレイもあったようだが赤魚を出された。

↑カブの浅漬けとホッピーセット。

イカの煮たのくださいと頼んだら、里芋も一緒だった。皿から遠いと不便だ。

若者も、おじさんも、おじいさんも、年代関係無しに土曜日の昼酒を楽しんでいる。さすがに女性客は少ないが、従業員に若い女性がいるので以前にくらべて店内が明るく感じる。平日の夕刻に続々と詰めかける客達の、どこか殺気立った雰囲気が店内に充満していたが、それから少しは変わったのだろうか、1度、平日にも来るべきかなと思った。

↑まぐろ刺身も130円。千ベロは、無理だったが、飲んで食べて千五百で充分だった。

↑煮込みか、焼物かで悩んだが、ナンコツ塩焼き。

そんなことを考えながらあっさりと、ホッピーセットに2回の中焼酎追加して飲みきってしまい『いこい』を出てしまった。2時間あまりの演奏会には、もう少し飲んでおいた方が良いかなと駅前すぐの大衆酒場『まるよし』にふらりと入った。焼きトンもあり、他にもつまみ類のあるごく普通の飲み屋だった。

↑駅すぐにある大衆酒場『まるよし』前を通るたびに気になっていたお店だったが、ついに入店。昔ながらのごく普通のお店に、思わず気が抜けてしまうほどだった。

↑やや辛口の味噌味のシロモツとコンニャクの煮込み。ネギたっぷりがうれしい。

日本酒の常温とたのんだ煮込みの味も、普通に旨かった。コの字型のカウンターの中で、おやじさんがガスの焼き台で豚モツの串を焼いているが、これも多分、普通に旨いのだろうなと見ていて思った。
花束を受け取って、毎回、似合わない花束を持ち歩くのを気恥ずかしく思いながら演奏会の会場に向かった。

↑コーラスグループのステージ衣装が、紫なので何となく同色の花を選んでしまう。本日の飲み代よりも遥かに高くついた花束。いい加減、勘弁してほしい気持ちもぐっとこらえて、やめると言いだせないまま毎年続けている花束のプレゼント。