恒例の檜原村サンマ祭りに、秋味満喫


毎年、産地直送便のサンマを東京都・檜原村のかみさんの実家で、炭火で焼いて食べるのを恒例としている。秋の連休後半、2泊3日でかみさんと2人で行くことにした。昨年は、大先輩のG野さんが参加してくれてこのブログでも紹介した。

↑車道から少し高台にある檜原のかみさんの実家は、日当りもよく庭もあり絶好のロケーションだ。

↑今回届いたのは、北海道・根室のサンマだった。東北の港と水産加工施設などの痛手は、まだ大きいようだ。来年の水揚げに期待したい。

サンマは、旨くて安くて料理も簡単で優等生だ。1匹220グラムほどの大きいサイズのものが、20匹も箱詰めにされ台風後にもかかわらず無事に届いた。今回は4人前で、生食用を8尾さばいた。今年はエコロジーの年でもあるし、刺身にとった後に普段なら捨ててしまう骨がついた腹の部分の「はらす」も、軽く塩をして干しておいた。三枚におろした中骨の部分は、もちろんそれも塩をして干した。
檜原の家は、居間と台所からすぐ出たところに庭があり、火鉢やストーブで炭や薪も燃やせ、焼き物料理が出来る。テーブルや椅子に使えるものもあるので、家にいながら野外食卓を楽しめるのだ。

↑酒は、ふもとのあきる野市五日市に酒蔵がある『喜正』の純米。常温では、それほど感じないが、少し燗をすると明確に辛口と感じる。きれと旨味があるいい酒だ。

お刺身、ネギぬた、たたき、湯がき梅肉添え等々、サンマづくしを秋の夕暮れのアウトドアで楽しんだ。サンマのたたきは、初めて作ってみたのだが、細目の斜め切りにしたサンマの刺身に生姜をまぶし、その上に大葉、茗荷、ネギを散らし、取り分けたものにレモンを搾り、ポン酢をかけて食べたら、これが旨い。脂の乗ったこってりのお刺身から、軽やかなさっぱり味になり同じサンマとは思えないような料理に仕上がった。作った本人が驚くぐらいの出来に、皆も大満足だった。
義理の父も母も最近は、食が細くなってきたようで、先に作って出した刺身、生食類でもう満足、とてもサンマ1匹の塩焼きなんて食べられないと言う。準備した炭火は、すでに燃え盛っている。では、干してあるサンマの「はらす」でも焼いてみますか。

↑刺身を取ったあとの肉もたっぷりついた、中骨せんべい。

↑食べられるものになるのか、心配だった「はらす」干し。

↑お腹いっぱいでも、やっぱり、焼いたあたたかいサンマも食べたかったのか、みんなの絶賛をもらった。

切り落とした「はらす」だと内側もしっかり焼けて、塩をして干しているので小骨もパリパリになって食べやすい。大根おろしとレモンを搾れば、焼いたサンマの旨味が凝縮していた。刺身をとった後、捨てていたことを考えれば、何とももったいないことをしていた。生から始まって、最後に焼きまで食べて一夜でサンマ尽くしを堪能した。
     ◎
丸サンマの塩焼きは、翌日の朝食にじっくりと焼き上げた。天気もいいし、昨夜と同様に外の庭で、贅沢な朝食の始まりとなった。

↑裏に山が迫っているから、猿やイノシシよけの電気ネットは必需品。今回は、鳴き声を聞かなかったが食べ物の匂いに反応してるのは確かだ。

↑少し時間はかかったが、炭火もばっちりで、立派なサンマを焼き始めますか。

↑ジュージュー、ボーボーと落ちた脂が焼けて煙が出て、いい匂いがたまりません。

↑左端の緑の器は、畑の大根の葉っぱを刻んで生姜と塩でもみ、絞った大根葉。白いご飯に混ぜ込んで、丸サンマ塩焼きと食べれば、もう、これは言うことなし。こんにゃく、右端の芋がらの煮物も自作の手作り。いやいや、幸せな朝食でした。

↑炭火の残り火でお湯を湧かし、入れたコーヒーも贅沢な旨さだ。

秋の2つの連休の間に台風15号が、紀伊半島沖から首都圏を直撃しながら東日本を縦断した。無理だろうと思っていたサンマも届いたし、連休は、まずまずの天気に恵まれた。川は、増水していたし濁流はおさまってはいなかったが、被害が出るほどではなかったようだ。日中、天気もよくて散歩に出かけた。台風の風に落とされたのか栗のイガが、栗林から道にも落ちていて、その中のいくつかはちゃんと実が入っている。ポケットに入る程度を、拾って帰った。


↑散歩途中の立派な栗林。

↑あくまで、道に転がり落ちていたイガから拾った栗の実ですよ。

彼岸花もチラホラ咲き始めていた。昼と夜の温度差が、大きくなって来た証拠だ。

台風が去った後は、めっきり秋めいていて昨日も日が落ちると寒く感じるほどだった。散歩から帰って早めに風呂に入り、3時頃から火鉢に火をおこしながら、早くもひとり庭でビールを飲み始めた。サンマはたっぷり残っていて鮮度も落ちていないから、風呂の前にさばいて準備はできている。塩でしめて、酢に漬けてあるので、皆がそろったら、さっと切って盛りつければいい。

↑夕方前の風呂上がりに、1人ではじめた、山のひとり飲み。

↑角火鉢に火がおこれば、干物を焼いたり、燗つけも出来る。ぼんやり、火を見つめながら、楽しいひととき。


↑昼間の散歩の収穫。水から入れて、沸騰して20分で簡単に茹で栗。

↑ほっくり栗の味、サンマとダブルで秋満喫。
しばらくは、燗酒とサンマの中骨干しを焼いたものを、ゆっくり楽しもう。
拾って来た栗が、茹で上がったようだ。食べてみるとほんのり甘く、ホックリと山の秋の味がした。
     ◎
最終日にかみさんは、コーラスの練習で早朝に帰ってしまった。ひとり1時間ほどの散歩して、払沢の滝まで行った。増水して普段よりも更に迫力の滝は、見応え充分だった。それからバスで『瀬音の湯』に立ち寄り温泉につかってから、のんびりと帰路についた。

↑払沢の滝。日本の滝百選に選ばれている。バス停や駐車場から10分程度の山道の遊歩道の先にある。実家から45分ほど歩く間で3つの滝が眺められるほど、近辺には沢山のいい滝がある。

↑温泉の風呂上がり、山にひらけたテラスのリクライニングチェアーで飲む、生ビールの旨さよ。5月の連休に山歩きの後で堪能し、今回も再び、ぐいっと。