『無能の人』生活の始まり

つげ義春の漫画を映画にした『無能の人』は、竹中直人の主演で自身の初監督作品だった。漫画家の主人公は、漫画を描くことに行き詰まり極貧のなか、多摩川の石を拾ってきて、川原で石屋を始めるのだった。嫁さんには見放され、あまりの金のなさに腰までのゴム長はいて競輪場と対岸への近道に、人を背負う川原の渡しをはじめる始末。それを子供にみられて「父ちゃん、カッコ悪い」と泣き出される。
今になってみると、身につまされる映画だ。デザイン事務所を退職して、早くも一週間以上がたち、なにも動き出す気配がない。少しは、人に会って昼ご飯などを食べたり、アドバイスを受けたりしていたが、仕事につながる話もまったくないのが現状だ。

六本木駅の地下鉄の方から、森タワーに来ると、すぐに目につくクモのオブジェ。観光スポットらしく、森タワーと一緒に。

↑東京タワーも、ここらで見ると存在感があるなぁ。下に降りると、毛利庭園がある。今日は、うろうろしないで、映画館に直行した。

そうしているうちに、土曜日が来たので、じたばたしないで映画を観に行くことにした。映画は、ギターリストのスパースター3人が、自分の人生とギター、音楽がどのように生まれてくるのかを語り、そして、顔をあわせセッションをする音楽ドキュメント。久々に六本木ヒルズシネコンに来たが、この界隈も再開発されてもう10年以上になるだろうか。残暑が厳しいが、今日のようにスカッと晴れていると毛利庭園の池も涼しげで、ITバブルの象徴的に言われた場所らしくお高そうな近寄りがたいお店があちこちにある。
自虐的に言ってしまえば『無能の人』には、不釣り合いの場所だ。映画を楽しんだ後は、この街には用はないので、大江戸線に乗って新宿へ行こう。行き先は、もう、お見通しでしょうね。

↑新宿・思い出横丁『カブト』いくつか空席があるが、残暑が厳しい日だったので、焼き台のまわりは暑くて敬遠されたのかな。

↑座って飲み食べ始めると、すぐに、レバ品切れの札がかかった。なんとかまにあって、レバ串を楽しめた。

↑お腹が減っていたからだろうか、焼酎よりウナギの串の方を先行させてしまった。

↑追加の丸塩2本と、芋焼酎2杯目の残りで、切り上げ具合が良かった。
思い出横丁『カブト』ならのんびりと、ウナギの串焼きを楽しみながら昼酒を楽しめる。一通りのセットは、ありがたいレバ串入りで、丸塩の追加もちゃんと食べたが、今日は芋焼酎2杯で終了した。タイミング的に2杯でやめただけで、財布の中身を心配した訳ではありませんよ。

↑先週は、吉祥寺がお祭りだったが、今週、土曜日は新宿・西口で。