夏の終わりの江の島、家族旅行。

家族旅行と言っても、同居している家族は、妻の1人きりだから2人旅。ちょうど梅雨もあける夏のはじめに、社員旅行で江の島に行ったら、とても気に入ってしまった。1泊2日の社員旅行の2日目は自由行動で、ひとり江の島をうろうろして、稲村が崎温泉につかり、江ノ電の終点、藤沢で飲んだお店が、結構よかった。日帰りでも充分楽しめると思い、かみさんに行かないかと誘った訳だ。その後、ブログに江ノ島のことをアップしたら、飲み友達のマハロさんに「いいですね。今度、ご一緒させてください」と、すぐに熱い反応が帰ってきた。

江ノ電の駅から江の島へ向かう道すがらのレストランの入り口に、大きな鉢に水を溜め、睡蓮が見事、紅白に花を咲かせていた。小さな旅行気分に、色を添えてくれたようだった。
近場で、気軽に旅行気分とうまい酒が飲めるのだから言うことはない。先に声をかけたかみさんと、8月最後の土曜日に行くことになったが、どうも、天気がよくなさそうだ。海水浴に行くわけではないので、まあ、いいかと、傘持参で曇り空の中、江の島に向けてぶらり出かけることにした。朝をゆっくり出ても、お昼には江ノ島に渡る橋を歩いていて懐かしい(といっても、まだ2ヶ月もたってない)島のにぎわう入り口に立っていた。

↑初めて来た前回と同様に定位置のように写真を撮った、江の島。橋を歩いてぷらりぷらりと渡ってゆけるところが、愛着を感じてしまうのかな。

青銅の鳥居の横にある『貝作』は、前回の社員旅行で現地集合してお昼を食べた食堂だ。近辺を検討したが、やっぱり『貝作』だなと決め、店内には入らず外のテーブルで潮風にあたりながら、生しらす丼と釜上げしらすを追加して、生ビールをぐいと飲んだ。生しらすは、食感のよさ、味は釜上げしらすの方が潮の風味が口の中にぱっと広がり、旨味を主張した。

↑潮風と生ジョッキがあうので、ぜひ、外にあるテーブルで飲みましょう。

↑もちろん、しらすの生は旨いものだが、釜揚げも負けていない。しらすを楽しむなら、釜揚げも外せないよ。

お腹がいっぱいになったあと、島の散策にでかけた。弁天様を祀ってある神社の長い階段から始まって、灯台の展望台のある高台まではそれなりの登り坂がある。曇り空とはいえ、展望台から観た景色も素晴らしく、その先の島の反対側にある洞窟の入り口まで行ったが、前回確認済みなのでそこまでは入らなかった。遠く南洋に発生してる台風の影響がもうとどいているのか、かなり海が荒れていた。

↑江の島のシンボルのひとつ灯台のてっぺんから、海辺のいい眺めが展望できる。ちょうど対岸の浜で、夏のライブをやっていて、驚くほどの大音量が海をこえて島まで届いていた。

↑はまぐりの焼けた磯の匂いが、たまらない。そして、またしても生ビール。

↑テラスのテーブルの先をのぞき込むと、荒れた波が打ち寄せる磯で、足がすくむ。

島の反対側から帰る途中にある海の眺めも素晴らしい食堂で、楽しみのひとつにしていた、焼きはまぐりと生ビールの休憩タイム。海に向かって断崖絶壁のテラス風の席で、散歩で渇いた喉を、潮風に吹かれながら潤せるのだ。
温泉に入るため江の島から鎌倉方面、稲村が崎に戻り海岸に出てみると、たくさんのサーファーが、浜と海に溢れていた。台風のうねりもとどいてる大波に乗れないで、ひたすらぷかぷかとアザラシの様に頭だけ出して浮いているサーファーが多かった。大波の打ち寄せる海に入る気などはさらさらないが、見てる分には、江の島も含め、夏のひとコマとしていい風景だ。

↑行きに見た睡蓮が、午後には見事に閉じていた。水の蓮ではなくて(ねむるはす)睡蓮と書くのは、本物を前に何とも風情あるなぁ。

↑ここで、ひと風呂入るかどうかで、この後のお酒の味が変わる。と、力んで語るほどのことではないが、さっぱりして気持ちがいい。

↑浜と江の島とサーファー、風呂上がりに風に吹かれて見た、夏の終わりのいい風景。
温泉でさっぱりした後は、本日の最終目的の藤沢でのふたり飲み。前回飲んだ『久昇』に、迷わず決めていた。5時前で、時間もちょうどよろしい。店に入ってみると、まだ、数人しか客は来ていなかったが、どうやら、予約が相当入っているらしく、テーブルも座敷も3品ほどの先付けの皿と箸がセットされている。カウンターもほぼ予約で埋まっていて、2人ならと座れたが、かなり危うい感じだった。みんな予約して、アベックやグループで来る地元で人気のお店だった。次回は、電話してから来た方がよいかもしれない。

江ノ電藤沢駅からすぐ近くにある『久昇』は、この辺の飲食店の中でも、昔ながらのと言いたくなる店構え。

↑昼間から、ビールは3杯目でさすがにジョッキではと、小さいグラスで乾杯。

お品書きを見てみると名物の定番のものと、この前に来た時から今月のおすすめ料理が一新され、料理に飽きさせない工夫がされている。地元で人気なのがそんなところでもわかる。お刺身を好きなシメサバにしたら、超レア状態で口の中でとろけちゃった。ただ、隣の馴染みの客が頼んだ刺身の盛り合わせを横目で見ていたら、品数の多さとひとつひとつの質の高そうな切り身に目が釘付けになってしまった。刺身を本気で食べたい場合は、盛り合わせの方が絶対にいいと思った。

↑ここは、迷って迷ってシメサバに。

↑それなりにいい点数のシメサバだが、隣が食べてる盛り合わせのボリームを見てしまったらなぁ。
桜えびのすき煮は、生の桜エビを贅沢に甘辛煮汁で、豆腐などと一緒にさっと煮たもの。濃い味付けながら、桜えびの旨味がしっかり出ていて、飲んでいる日本酒の常温に、ばっちりの相性だった。梨が貝柱と対等にごろごろと入っているぬたも、果物と生の貝が合うのかなと思う不安を一気に拭い、からし酢みそがあいだを取り持って不思議なハーモニーを奏でていた。まぐろのほほ肉の筏焼き(ネギまですね)を食べてもかみさんは、どんどん、料理を注文しそうな勢いでいるのを、もう一軒、行きたい店があるからとなだめすかして、重い腰を立たせた。

↑桜えびのスキ煮。柳川鍋の海の幸バージョンとでも言えばいいのか。

↑まぐろのほほ肉のいかだ焼き。ちょっと、まぐろの臭みが気になったが、まぐろの照り焼き味がしっかり移ったネギが旨かった。

↑梨と貝柱のぬた。からし酢みそで合えてしまう、力技。

『南口 焼きトン』は、この近辺を歩いて偶然見つけたお店。この前も『久昇』で、飲み食いした後でも、勢いで入ってしまった。焼きトンは、平均点以上だったし、店内を切り盛りするのが、みんな若者達で一生懸命料理や接客に打ち込んでる姿が気持ちよかった。

↑前回『久昇』開店までに時間があり、近辺を散策して見つけたお店。食べて飲んだ後でも、どうしても入りたくなってしまった。結局、今回も同じコースで。

↑かみさんが飲んだスペシャル酎ハイは、少し甘かった。やっぱりホッピーが、いいかも。

前回、気がついた時にはお腹いっぱいで食べられなかった一押しのガツ刺しから始め、タレ、塩の数本の焼きトンとホッピーを飲んだ。
帰りの電車では、昼間の散歩の疲れもあってか、2人して、はっ、と気がつくともう東京駅だった。

↑ガツ刺しは、たたき風に外側を焼いていた。ごま油と塩で、レバテキと同じ食べ方。

↑極上のとろタン。タン元の脂のあるところ、ネギをレモン汁かけてさっぱりと。

コブクロ、塩。

↑カシラ、塩。

↑レバ、タレ。

↑シロ、タレ。

ししとう、タレ。

↑ポテトサラダ。

↑ナンコツ、塩。これで、終了。いつものことだけど、よく食べたなぁ。