夏のうなぎも、もちろん「カブト」で

「うなぎは、夏に限る」ではなく、一年中、毎週とまではいかないまでも月に2度や3度はカブトに飲みに来ている。新宿・西口すぐの地の利と戦後、昭和の雰囲気を残した思い出横丁も大好きで、土曜日、映画の後の「カブト」昼酒飲みは、生活の一部となってしっかりと自分の生活に組み込まれている。

↑隣の椅子に手をついて、2席で座っている不届きな客がいる。その椅子しか空いていなかったので、力強く「ここ、はいります」と座った。

そして、なによりうなぎの首やしっぽの先、肝焼きにレバ串が、目の前で焼かれて嗅覚だけでなく全身をくすぐられ、ここでしか食べられない味に、今週食べてもまた来週に来たくなっている。
昭和7年生まれ、御歳80歳を迎えるおやじさんの存在そのものもまた、魅力的な要素でもあるし、相棒のお店のI東さんの優しさと粋のよさもまたいいところ。見習いの若手は、頼もしく見えるまでにはいかないなりに気さくな奴だ。
熟練の酒飲みから、新宿らしく茶髪でピアスの若者も海外からの観光客も、時たま若い女性もおばさん達まで集うお店なのだ。

↑焼き台近くは、夏場かなり暑いが、おやじさんとのおしゃべりも楽しいところ。

↑どう見ても、天然のうなぎだろうと思えるくらいの極太のマル塩も焼き台前だと出してくれる確率が、高かったりして・・・
今日も、カブトのおやじさんと同年代のご老体4人組が、強引に店の一角に押し座って、金宮焼酎をすすってうなぎを食べている。ひとりは、広島出身で原爆投下の時に40キロ圏内でいながらいまだ、元気に生きながらえてるぞを剛胆に振る舞っておられた。こんな人たちに囲まれると若輩もののこちらはなにも言えずにふんふん聞いてるのみだが、決して年輩の人がオールマイティーに達観しているとは限らないものだ。酔いがまわるあたりで少々、自粛した方がいいのではと思える発言ももたびたびで、焼きながらおやじさん、苦笑いの連続だった。
とはいえ、ここでは、考えられないくらいの年の差で同席して酒が飲める楽しさも満載だ。

↑さて、暑くて省エネの夏が始まった。

↑うかうかしていたら、上野・不忍池の蓮がもう大きく育ちつぼみもちらほら見えるようになって来ていた。これからが、大輪の蓮の花が見もので、目を離せない。