今夜は、魚だ「門前仲町・魚三」へ、くりだそう

今夜は、絶対魚だなと思って酒を飲みに行くときにいつも候補にあがっていた門前仲町の「魚三」。飲み友達のK西さんとは、何度となくかよった人気の下町居酒屋だ。東京に在住している酒飲みなら、耳にした事があると思うが、基本魚でその種類の多さと刺身、煮る、焼く、揚げると色んなメニューを驚くほどの安さで食べさせてくれる。
今週も金曜日、追いつめられてる仕事もないので、普通に帰れる予感。仕事をしながらもあれこれ考えたが、自然に足が向くのが北千住で行きたい飲み屋は決まっている。ただ、先週は、飲み過ぎの後で大失態もやらかしていることだし、気を引き締める意味でも他の店に行ってひとり飲み修行を積んでみる事にした。そう思っても、まず食べたいものは魚。だったら阿佐ヶ谷の「たつや」か「魚三」となり、行きやすさから門前仲町に決めた。

↑人気のいい居酒屋は、入り口にも風格がある。
麹町から飯田橋、地下鉄だけの乗り換えで意外に門前仲町は近い。ただ、東西線は、かなり混んだ記憶があったがそんな事もなくあっさりと着いた。深川のお寺もあり、所々に江戸情緒、古い東京下町の風情が漂う街。
そろそろ、蒸し始めの季節、紺地に太い抜き文字で魚三酒場と暖簾のかかる入り口のガラス戸が開け放たれている。ちょうど帰る人がいて入れ違いにすぐに座れた。
さて、何を注文していいのかさっぱり見当がつかないくらい壁一面にメニューの短冊が貼られている。本当に迷ってしまうが、出来れば旬のもの季節のもので選びたい。にしん刺に決めて、生ビールをグイッと喉に流し込む。入り口から見るとUが2つ並んだUUの形にカウンターがあり、スーツのサラリーマンや作業服や普段着の若者、カウンターに取り付きみんな片寄せ合って魚を食べて酒を飲んでいる。

↑最初の一枚は、腰が引けて撮っていた。
何度か来ているとはいえ、ここでおもむろに肴の写真を撮るのも気が引ける。最初の一枚は、そんなためらいが出てしまったが、日本酒の冷やを飲みはじめたら落ち着いてきた。
その日本酒、魚にあわせてやや甘口にしているのはわかるが、どうもあんまりこの酒が旨くない。飲んだ後に、雑味が残ってしまう。そういえば、K西さんもお酒に対してこぼしていた事があったが、こうしてひとりでじっくり味わってみるとよくわかる。

↑日本酒か来て、ちょっと落ち着いて撮ったがニシン刺がすでに残り少ない。

↑コチ刺、本当はポン酢で食べたい所だが・・・。

↑赤貝は、残念だった。
生つぶ貝、平貝が品切れで、赤貝刺にしたが、これは洗いすぎてダメだった。身の切りさばきは見事だが、貝刺の命、風味が抜けてしまっていた。ただ、盛りと値段がただ事でなく、正味市場の魚屋で出すお刺身パック詰めと量も値段も変わらない。それが、皿に盛り付けされ座って食べられるのだからどうなってるのだろうと気になる。飲み屋は、一階だけでなく二、三階まであって連日満員の大盛況だからこそなりたってるんだろうな。
この量だものお刺身3皿でもうお腹一杯だが、焼き物も食べねばとサワラの粕づけ焼きが、旨かった。そして、この大ぶり厚切りで300円はどうかしてる。お酒も文句いいながらも5杯も飲んでしまった。

↑このサワラ粕漬け焼きには、まいりました。これが『魚三』の底力、300円なり。
K西さんと来た時も、もう食えないと『魚三』の店を出ても、そのまま帰るのも心残りでもう一杯飲むのが常だった。煮込みで有名店な「大坂屋」は、早々に店じまいするのでなかなか入れなかったが、もう一軒、仕上げの酎ハイを飲んだ店を思い出した。少し前に読んだ、居酒屋紀行の本にこの店の事が出ていて、驚く事に店主も含め従業員みんなが飲みながらわいわい楽しくやってると報告されていた。K西さんと来たときは、いつも『魚三』でしこたま飲んで来た後なので、そこらあたりの記憶が定かではなかった。ちょっと覗いて行こうと深川不動尊側に渡って、居酒屋『だるま』に向かった。店の外ではみ出して飲んでる二人連れがいるので、入れないかと思いきやカウンターに空きがあった。店内は、何だか全体的に盛り上がってる。奥のテーブルもお客さんでほぼ、埋まってるし本で読んだとおり、客に負けじと従業員達も威勢よく大量の酎ハイを作ったりしている。

↑『だるま』こんな楽しい店だったとは。地元の客で、従業員共々楽しんでいるので、仲間外れ的な感覚がありつつも異邦人の楽しみもひとり飲みにはある。
従業員に女性も二人いて、盛り上がりながら勢いで仕事をこなしている様子を、楽しみながらホッピーを飲んだ。お腹がいっぱいなので自分からおつまみのこと言い出さないままいたら、結局、何も出ずに食べずにホッピーの中の焼酎を2回もらってホッピー1本飲みきった。相当、変なお店だが、悪い気は全然しないし、どこか知らない街に旅行して飲んでる様な面白い気分を味わった。
たまには、目先の変わった所で飲むのも楽しいものだ。

↑煮込みくらいは、食べようと思っていたが、何となくホッピー飲んでるだけで満足した。