幸せの「おおはし」飲み後の大失態、一升瓶大破


ゴールデン・ウィークあけからの2週間、目まぐるしく仕事をしてどうやら今日の金曜日で、ほっと一息つけるようだ。この2日間は、平日日課のスポーツジムにも行けないで早朝から事務所に出て、追い込まれる仕事に何とかしのいでいた。
夕方にデータの書き込んだディスクを渡すと、もう、抜け殻のようでなにも考えられなくなった。こんな時は、とっとと帰ってしまいたいがそうもいくまい。早退にならない刻印のタイムカードを押して外に出ると、まだ、幾分明るく、昼間もかなり暑かったようで、季節もだんだん夏に近づきつつあるようだ。

↑深夜帰宅の翌早朝、仕事に追われてジムにも行けないので、自宅から上野公園まで徒歩出勤にして30分ほどのリフレッシュタイムに。忍ばずの池のハスもどうやら今年の新しい葉が出て来ていた。盛夏の見事な蓮の花が楽しみだ。遠目に見える茶色は、昨年の枯れた葉っぱで、毎年、毎年入れ替わる。
こんな早い時間に出れるのなら、飲み友だちのI藤さんに連絡取っておけばよかったと後悔しても始まらない、もしくは、今から昔なじみの編集部に連絡取って遊びに行くのもありだが、疲れてヘロヘロだし、あれこれ考えずに北千住・おおはしに急ごう。

↑事務所を出て、四谷駅に向かう。何とも、この時間に自由の身になるうれしさよ。まだ、明るいのがこれまたいい感じに飲みたい意欲が湧いてくる。
すぐには座れなかったが、まだ、お刺身類もまだありそうだし余裕で待った。
最初の生ものは、太刀魚、それにカツオのダブルたたきで、もちろん、ボトルと氷セットと同時に出てくる肉豆腐から始めた。金宮ボトルが、恐ろしいほどにたっぷり残っていた。連休前に調子に乗ってあと一杯飲みたさに入れたもので、キープ期限1カ月ぎりぎりの今夜、飲み干さないといけない。

↑味の濃い肉豆腐から食べはじめてどうか、との考え方もあるが、この肉豆腐を食べ始める事でどうしてだか『おおはし』飲みになるのだ。ご当地、当店流なのだから、ここに座るとまず食べたくなると、理由にならない理由をつけながら。

↑カツオ同様に太刀魚は、皮も旨く、さっぱりとしつつも濃厚な旨味。

↑海水面にいるシラスは、放射能汚染されやすいし、高い数値が出たとすでにニュースにもなっているが、目の前にあるこの生シラスを見てどうにもこうにも食べて、味わうしかない。

↑「おおはし」のおやじさん、本日のおすすめだったイサキ刺。イサキと思えぬ、脂の乗りに脱帽。

珍しい、きんき塩焼き。頭の割には、胴の身が少なく割高に感じるが、ねっとりとしたお汁たっぷりで旨味は最高。残念ながら最近は歯の具合がよろしくないので、頭からばりばり食べても骨や堅い所は出しながら。

↑手作り風、ゴマ豆腐。地元、和歌山の高野山で食べるゴマ豆腐は、ごまが濃厚できめが細かく最高に旨いのだが、これも、なかなかいける。気がつくと、あれだけあった瓶の焼酎が残り少なく、今日は、オムレツなし、ゴマ豆腐で終了。

割る炭酸を少なめに、腹をすえて飲み始めるとクイクイすすむ。生しらすも、程よい苦みと甘みすら感じる旨味、イサキは大きいもので脂もたっぷりのっている。余裕で、ほとんど残っていた金宮焼酎600ml瓶を空けてしまった。いつもより酔っぱらってるのは確実で、この後がいけなかった。
いい調子で、お店を出てもう一軒ではなく、土日、家で飲むための酒を買っておこうと酒の安売り店に行った。これだけ『おおはし』で、金宮焼酎を飲んだのに、家でも飲もうとイモ焼酎と金宮一升瓶2本買って、店を出るなり金宮焼酎を落っことしてしまった。自分の買い物袋に2本一緒に入れ肩にかけようとしたのだが、入れ損なって店の前の道に見事に落ちた。ビニール袋に入っていたので、瓶のガラスは飛び散らなかったが盛大に焼酎一升がぶち撒かれた。
翌朝、やや酒が残った感じと心に棘が刺さった感覚は、飲みすぎもさることながら落とした焼酎一升の事がまざまざと思い出されたからだ。どうやら、割れた瓶は袋ごと道のすみによせたが、お店に声もかけなかったしそのままにして帰ってしまったようだ。いい大人が、これではいかん。酒飲みとしても風上にもおけにないので、多分、お店の人が片付けたろうから今更でもひと言お詫びしようと、翌日、北千住まで電車に乗って出かけた。
レジに入っていたお姉さんは、こちらの謝りの言葉に「何も聞いてないですよ」とアルバイトらしくあっさりと聞き流されたが、買い直した金宮焼酎の代金を受け取った後で「ビニール2重にしましょうか」と。
「今日は、酔っぱらっていませんから大丈夫です」
笑って言いながら、ちょっぴり傷ついた。