カブトの異変

今日は、朝から荒れ模様の天気だった。久しぶりに土日がゆっくり連休なので、映画と昼酒のお楽しみと決めていた。少々の雨ぐらいで気持ちが萎えることなく朝から出かけ、そろそろ雨も小降りになってきたようなので折り畳み傘にしたら、大失敗だった。その後も、時々、バケツをひっくり返したほどの土砂降りの雨になったり、風も吹き折りたたみの弱っちい傘など物の役にたたなかった。

↑渋谷スクランブル交差点も雨に煙っていた。スターバックスの2階からブログを書きつつ映画の時間までのんびり過ごす。

映画も半月ぶりで、怖い映画を楽しんだ後は「カブト」で昼酒を楽しもうと渋谷から地下鉄で新宿に向かった。外の大荒れの天気で、新宿の地下道は人で溢れていたが、思い出横丁では人はまばらだった。それでも「カブト」は、満席。と、いうよりその異変に驚いた。

↑いつもの「カブト」とは、ちょっと、いや、大きく違った。
焼き台に立っているのが、女性だった。雨もまだかなり降っているのでお店のI東さんに隣で待っていてと言われ、なか続きの隣の今は営業していない「カブト」の別店舗に入った。もう10年、20年くらい前だろうか、カブトの大将の奥さんがご健在の時にこの隣の店でも営業していたが、今では荷物を置いたりしてるだけだ。冠婚葬祭の帰りなのだろうか、スーツ姿の4人組が店で食べれないのならとお土産を焼けるのをビールを飲みながら待っていた。程なくして焼き台横のカウンターに座れたのだが、お店のI東さんとは離れていて女将体勢の「カブト」の理由が聞けない。たぶん、大将の娘さんだろうが、そのかわらなければならない理由が、悪いことしか浮かんでこない。客の誰もが、その異変に対して相当気にしているが、女将さんは焼き台でウナギの串を焼くのにてんてこ舞で、焼酎やらビールやら丸塩追加やらの声にパニック状態だから迂闊に声もかけられない。
こちらも誰かが、いつか女将さんが何故焼いてるのかの話題をしだすだろうから待つことにして、ウナギの串焼きに専念することにしたが、どうも気になってしょうがない。
タイミングをみはからって「もしかして、緊急事態なのですか」と、聞いてみた。そしたら
「父は、今頃、いい気分で飲んでるでしょう。婚礼に行ってるんですよ」
なんてことはなかったんだな。それにしても、女将さん、てんてこ舞ながらもちゃんとお店を切り盛りしてるではないか。血筋といえば、そうなのだろうな。もしかしたら、鰻屋さんに嫁に行ったのかもしれない。いつものんびり構えてるお店のI東さんも今日ばかりは、クールにしてはいられない感じで、洗い物もたまっていた。
それでも、遠いこちら側に芋焼酎の「無月」のお代わりを入れてくれる優しさを感謝しつつ、カブトの大将が何事もなく、また、来週きても旨いウナギの串焼きと焼酎の昼酒を楽しませてくれるだろう。ほっと、一安心して今日は焼酎2杯で帰ることにした。

↑隣の別店舗に飾っていた「カブト」の店を描いたイラスト。お店のファンの客がプレゼントしたのかな。金宮のポスターもなかなかいい。

↑今日ばかりは、味に集中できなかった。

↑後半は、安心して丸塩まで食べたが、2杯で終了した。