地震から一週間「おおはし」が営業していた。

東北地方太平洋沖地震で被災された方々、心からお見舞い申し上げます。一日も早い被災地の復興をお祈りいたします。
地震から一週間がたち、東京でもその影響がじわりじわりと出ている。船酔い気分になるくらい毎日余震が続いて肝を冷やし、計画停電とそれにともなう電車運行の停止や削減で、首都圏の人たちを悩ませている。食品の品薄とガソリンなんかもなかなか買えないようだ。

↑朝の1時間かけての徒歩通勤の途中。梅も最後の満開状態だった。上野公園を通り抜けるコースは、なかなか気持ちがよい。歩くのが病み付きになって来た。

↑まだ、飲みに来た事がないが、大田和彦さんの居酒屋本でも何度も紹介されている湯島の『シンスケ』朝よりは、夜に来たいものだが。

お茶の水駅に到着。ここから電車で快速一駅分、乗る。朝の下り電車なので座れるくらい空いている。
地震当日は、もちろん、歩いて帰るしかなかったが、今週になって、あまりに電車が混むので1時間ほど歩いてから混まない快速の1区間電車に乗るようにした。遠方の通勤者は、そんなこともできないのだろうし、出社できない人も出て休まざるをえない現状だ。
駅や街の看板やコンビニの明かりが半減され、それでなくても日本の先行きに暗澹たる思いの人々に暗い陰を落としている。進行中で取りやめる仕事も出てくるので先々の心配はあるが、目先のものはまず終わらせなくてはならないので今週も帰りが遅く、よけいに暗くて人のまばらな都心で気分が重い。くすぶり続ける原発が、最悪の事態を招きそうで不安がどんどん沸いてくる。
     ◎
そんな一週間も終わる頃には、やっぱり一杯やりたくなる。しかし「おおはし」も「カブト」も営業できているのだろうか? 壁面にずらりと並ぶ、金宮のボトルキープ棚からビンが落ちて来て大変だったのではないだろうか。別に自分のボトルの心配はしていないが、そばに人がいたら割れたガラスで怪我をしてしまっているだろう。
思い出横丁のバラックのような古い建物、一度、火事に見舞われ半焼で何とか助かった「カブト」も、強い揺れに耐えられているだろうか。金曜日の夜、7時すぎになかなか解放してくれない編集者にいらいらしつつ、何とか8時前には事務所を出られた。いつもなら、街の明かりの瞬きに心躍るのだが、と思いながら、やってなくても仕方ないが電車が動いてるのだから行くだけ「おおはし」に行ってみようと決めた。これだけ、交通が乱れて品不足に陥ってきているだから、やってなくてもしかたないと思えてくる。足早になるのは、早く飲みたいからではないと自分に言い聞かせていたら
「よかった、灯りがついている」
心配をよそに、いつものにぎわいでお店の中は人でいっぱいだった。少し待つことになったが、おやじさんに金宮のビン大変でした? と、聞いたら
「大丈夫でしたよ、額が一つ落ちただけ」
それを証拠に3/4の日付の入った自分の金宮ビンが出てきた。いやいや、よかった。

↑この灯りにホットした。そして、飲めるぞ。

穴子の刺身。ハモよりほんのすこし脂の甘みを感じた。

↑震災を免れた3月4日に入れた金宮ボトル。肉だけ煮込みはちょっと寂しいが、仕方がない。
生ものは「あなごの刺身」以外なくなっちゃたそうで、いつものように数種類のうまそうな刺身類は出ていた。あなごは、ハモのように湯引きをしたもをわさび醤油で、うん、なかなかいける。肉豆腐は、豆腐がないようで品不足の影響がでていた。
変わらないお店に、ほっとしたら早々に酔いが回ってきた。
大阪でプレハブ住宅のメーカーに勤める甥っ子が、先週から大宮に出張に来ていて、飲もうと約束していたが建設現場もこの地震で大変だったそうで、時間がとれなかった。それも何とか決着ついて大阪に帰るなり、今度は東北の復興の一つ被災者の仮設住宅建設の調査にすぐ宮城に行ったそうだ。親の姉の心配は絶えないが、直接困っている人の為になることなので、気をつけて頑張ってきてほしい。
さて、明日から3連休。休めないかもしれなかったので、出かける予定も立てなかった。映画館も自粛しているようだが、先週のように全く営業を見合わせてることはないようだから、映画三昧に観て明日は「カブト」へ視察に行こうと酒に痺れた頭で考えていた。

イカ焼き残っていてよかった。ふっくらの焼き具合。

↑ゴマ和えほうれん草とあら煮。隣のおじさんが、かなりしつこく話しかけて来るが、地震で全体的に躁状態が続いている気がする。その反動はすぐ出るだろうし、皆で落ち込んだらたいへんだ。

↑いつものオムレツを、食べれる幸せ噛み締めて。

↑北千住、東武東上線のホームは、計画停電で本数が少ないためか待つ人でホームがいっぱいになっていた。お疲れさまです。